アーカイブ - 11月 16, 2017

飲:「TIMELESS 第20回」>恵子さん

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恵子さん、こんにちは。
「TIMELESS 第20回」をアップします。
最後まで、太平記の「交」の読みで、あたふたしました。
普通に古語辞典で調べると接尾語の「かひ」のようですが…。

【タイトル】TIMELESS 第20回
【著  者】朝吹真理子
【掲 載 誌】新潮2017年12月号
【発  行】平成29年12月7日(11月7日発売)
【ファイル】timeless20・76頁
【内  容】
 やまないね
 雨降りやまないね
 また何かが降っていた。降りやまない雨。うれしそうに、のびやかな声で、眉さんが窓の前に立ってひとりでしゃべる。
 ごめんね、いま傘がなくて
 傘がない。そういう歌があったね。ぼくはその歌がわからない。
 え、知らない?
 眉さんの小さな唇が動くけれど、いっこうに歯がみえない。黒いぽっかりした穴があいているだけのようにもみえる。

<悩んだ箇所>
P300下L3 と P300下L-11 の英語後の「.」の処理、ちょっと悩みました。
P304上L-8 人工睫毛をつくる。Jカール、Cカール、Dカール
P304上L-5 こよみさんの → 誤植扱い
P305下中程 其ノ交ニ → 調べきれず※1
P314上中程 飯倉片町 → 今と昔で違うようではあるが…

第8回 朝焼けのようにやわらかい黄金色 → こがねいろ
第20回 黄金の目をしている猫 → おうごん
第20回 薄野原。一面が黄金の野原 → おうごん

※1 以下を参考にしました。
太平記(国民文庫)
太平記巻第三十九
http://www.j-texts.com/taihei/tk39.html

本堂の庭に十囲(じふゐ)の花木(くわぼく)四本あり。此(この)下に一丈(いちぢやう)余(あま)りの鍮石(ちゆうじやく)の花瓶(くわひん)を鋳懸(いかけ)て、一双(いつさう)の華に作り成(な)し、其交(そのあはひ)に両囲(りやうゐ)の香炉を両机に並べて、一斤(いつきん)の名香を一度(いちど)に焚上(たきあげ)たれば、香風四方(しはう)に散じて、人皆浮香(ふかう)世界の中に在(ある)が如し。

連載20回になるので、総括しなければいけなかったのでしょうが、そもそも総括できるような作品ではないと思うのです。
全面的に書き直す――、この著者は以前、作品を完結できないと言ってたと思いますが、それさえ何とかクリアできればと思います。
山下澄人、古川日出男、演劇っぽくて音楽っぽくて、ストーリーには拘らないような、そんな立ち位置が見つかればいいなとつくづく思います。(淮)

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