てんやく広場への登録

 FEYEBASE閉鎖に伴い、FEYETOOLの点字データライブラリへの登録も中止されてしまいました。困っていたところ、ナビールさんより、「てんやく広場(現在のサピエ)」に登録したらどうかと言う有り難い申し出が有りました。1995年9月の事です。

 以下、ナビールさんのメッセージです。

 皆さんへの提案です
 FEYETOOLのライブラリへの点字データ登録が中断されてから3ヶ月になります。そのあいだにも、このPATIOを中心にして個人・グループの点訳活動が活発に行われ、幾つかの点字データが完成しています。

 一方、これらの点字データの質について考えてみると、点訳者個人が、あるいはグループ内でお互いに入念に校正されたあと、私が確認させていただき、さらにその確認済みデータをチェックしていただいており、一定のレベル、それもかなり高いレベルを保っているものと自信を持ってもいいのではないかと思っています。
 このようなデータを長い間眠らせておくのはいかにももったいないという気がします。FEYETOOLへの登録再開がいつになるか分からない現在の段階での私の提案です。

 皆さんのデータを、私が勤務する大阪の盲人情報文化センターを通じて、「てんやく広場」へアップするというのはいかがでしょうか。FEYETOOLのライブラリへの登録が再開された時には、もちろんこちらへも登録していただきたいと思います。同じデータの登録場所が複数になることで利用者のマイナスにはならないと思います。
 皆さんのデータは、一切改編せず、全くそのまま登録しますし、「てんやく広場」用にデータを作っていただく必要は全くありません。
 かなり不遜な言い方ですが、ひろばへアップするデータは、私が確認させていただいたデータに限らせていただきたいと思います。

 それから、FEYEの登録ルールでは、.DOC ファイルに発行日が入っていませんが、お手数ですが、これを書き加えていただきたいと思います。点字では発行日が入っているのですが、登録に当たって点字データを開いて発行日を調べる時間がありません。
 私の提案に同意していただける方は、お手数ですが完成データをメールで送っていただけないでしょうか。私の持っているのは確認済みデータで、完成データではありませんので、よろしくお願いします。

 これは本当に有り難い申し出でした。前に書いたとおり、この時点では、点字データは著作権法では微妙な位置に有りましたので、FEYEのデータライブラリに登録できないとすると、他にはどこにも登録できません。私の手持ちの点字データは量が多かったので、MOに入れてナビールさんに郵送しました。

 ナビールさんのご尽力による点訳ひろばへの登録は、2005年にナビールさんがお亡くなりになった時点で中止となりましたが、ナビールさんの同僚のバオバブさんが、データを見てくださる事になり、2007年から、みのりさんを窓口としてバオバブさんに校正を依頼し、点訳ひろば(この頃にはナイーブネットになっています)への登録が再開されました。

 このすぐ後、著作権法も改正され、インターネットのホームページに点字データが登録できるようになり、多くのホームページに点字データが登録されるようになりました。私がFEYEに飛び込んでから10年後の事です。
これでFEYEへの点字データ登録問題も解決される所でしたが、皮肉にもパソコン通信は終焉の時を迎えるのです。

コンテンツ配信