江戸エリア一層の階段を作ります。
江戸エリアの階段は昭和実測図どおりに作らなければならないのでかなり手間がかかります。
踏み板部分は令和エリアと同じ作りですが、手すりが全く違います。
使える材料は2ミリ角と1ミリ角のヒノキ棒ですので細工が大変細かくなります。
江戸エリアの引き戸は取り去った状態で作って有りますが、昭和実測図の赤で塗った部分は階段に接する部分なので板壁になっています。
この赤色部分は厚さ1ミリの板で塞ぎました。
図面右下の2カ所は格子戸になっているようですが対応できないので他と同じように板で塞ぎます。
一層の階段の模型が名古屋城の近くに有る階段体験館(ステップなごや)に展示されています。
この写真と昭和実測図を参考に作ってみます。
4ミリ厚の板を貼り合わせます。
幅は踊り場の下が19ミリで上が17ミリです。
こういう形に組み立てます。
手すりの支柱は2ミリ角の角材を使います。
断面積が小さすぎて接着剤だけではしっかり立てられません。
ここもホゾ組が必要になります。
支柱を立てる位置に1ミリの穴を空けます。これがホゾ穴になります。
2ミリ角の棒の先端にホゾを作ります。
階段の1ミリの穴に角棒をねじ込み、接着します。
手すりの高さで角棒をカットし、手すりを通す穴を空けます。
1ミリ角の棒の角を削り、直径1ミリの丸棒を作り、穴に通します。
これが完成形です。かなり不細工になりましたがこれが精一杯です。
所定の位置に接着します。
上から見たところ。
梁は柱と接する部分だけ作っていますが、特に大きな梁を4本付けます。
一層見上図で二層床張りがどうなっているかわかります。
焦げ茶色に塗った部分が付け加える梁です。
一番太い部分は二尺八寸(85センチ)ですから、82分の1では約1センチになります。
こんな感じになります。
二層見上図で三層床張りを見ます。
焦げ茶色に塗られた梁が天守閣内で最大のもので、元口73センチ、末口60センチ、長さ17メートル有ります。
この梁には岩手県奥州市の月山神社に自生する月山松を使います。
樹齢400年、根元の太さ90センチ、高さ30メートルの赤松を切り出しました。
こんな感じになります。
完成がいつになるのか、果たして完成するのかもわからない木造天守閣ですが、木材はすでに調達されています。
桧1367本、松692本、欅264本などが岩手県、岐阜県、愛知県、奈良県、高知県の倉庫に保管されています。
木造復元の総事業費は505億円。そのうち木材の調達費用は94億円ほど。加工費も含めると203億円になるそうです。その他木材の保管料が年間1億円ほどかかります。
木材の平均単価は400万円ほどになるのですが、三層床張りに使われる月山松は数千万円だそうです。
江戸エリアに以下の3点を取り付けます。
1・鴨居の上に長押を貼り付け、釘隠しを付けます。
2・梁は柱と接する部分だけ作っていますが、大きな梁は付ける事にします。
3・階段を作ります。
長押は、一層から三層までは幅4ミリ、厚さ1ミリ、四層と五層は幅3ミリ、厚さ1ミリの板を鴨居の上に少しずらして張り付けます。
貼り付ける前に、釘隠し(のように見えるもの)を付けておきます。
釘隠しの図面と現物です。
写真右の釘隠しは、名古屋城の西南隅櫓の長押に取り付けられているものです。
大きさは2種類で、大きな方は直径が七寸二分(約22センチ)、小さい方が直径六寸(約18センチ)です。
一層から三層までは大きい方、四層から五層までは小さい方を取り付けます。
釘隠しを82分の1サイズで作ると直径が3ミリ以下となりますから、形どおりのものを作る事はできません。真鍮釘の頭で釘隠しもどきを作ります。
平頭の真鍮釘の頭部分だけをニッパで切り取ります。
小さなサイズの真鍮釘が無かったので、小さい方は鉄の釘の頭に金色塗料をスプレーして作ります。
一層の長押を貼り終わりました。
釘隠しは六葉が一般的ですが、御殿などには豪華な釘隠しが付けられる事があります。
写真は、名古屋城本丸御殿の上洛殿のものです。
上洛殿は、3代将軍徳川家光の上洛のために建造されたもので、名古屋城の城主ですらここを使う事はできませんでした。
この釘隠しは、ひとつ100万円ほどするそうです。
数え切れないほど有りますが、同じように見えて模様が違います。
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