飲:「漏斗と螺旋」(再アップ)確認のお願い>すえつむはなさん

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すえつむはなさん、こんにちは。
山尾悠子、「漏斗と螺旋」を再アップします。

【タイトル】漏斗と螺旋
【著  者】山尾悠子
【掲 載 誌】群像2020年1月号
【発  行】2019年12月
【ファイル】roto・38頁
【内  容】
漏斗の街にはむかし行ったことがある。そこは記憶によれば大量の言葉の吹き溜まる場所であり、風はつねに螺旋の渦を巻く。

天声人語5月1日を読ませてもらって、点訳ルールはほぼ同じと安心しました。
私は朝日は取ってないのですが、初めの方だけネットで読めました。
で、一部墨字ファイル+素読みでは突っ込む箇所が皆無、自分のファイルに青くなりました。

それであわてて自分のデータを読み直し、やはり途中までしか点検してないデータであることに気がつきました。
ですので、改めてアップします。
(おヒマでしたら、先にアップしたテストデータと比べて笑って下さい)

そして、先の質問の件、

>お預かりしておりますファイルですが、これは素読みをということなのか、群像を手に入れて照合校正をするということなのか、どちらでしょうか?
>また、おおよその期限はいつごろとお考えでしょうか?
>校正のすみましたときには、どのような方法でアップすることになるのでしょうか?

●点心六点クラブでは、図書館から借りて校正することが多いです。
しかし、今は図書館がお休みのところが多いので、これは無理ですよね。
取り敢えず、素読みでお願いします。
 <最後まで迷った点>
・「劇場付き」、つき? づき?
・「ロマンチック好き」、「ろまんちっくずき」「ろまんちっく□すき」
・「生物の群」「この群」、「ぐん」「むれ」
・<>――、第2カギ閉じのあとの棒線のマスあけ(32-17)
ほかにもミス他、残しておきました(わざとじゃないけれど)。

●期限は特にないです。都合に応じてで結構です。でもまあ、半年後というのは遅いでしょうねえ。

●点心六点クラブ以外だと、ほぼトピックに添付してますが、ここでは、1タイトルにつき1トピックにしています。校正ファイルは「新しいコメントの投稿」への添付でお願いします。もしもうまくいかなければ、新トピックでもOKです。
トピックに添付するのと違うのは、「参照」ファイルを選択後、
 ファイルタイトル:
欄にファイル名を入れることです。添付するファイル名をそのまま入れてもらえばいいです。

それでは、データダウンがうまく行きますように。(淮)

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Re: 飲:「漏斗と螺旋」(再アップ)確認のお願い>すえつむはなさん

淮さん
お世話になっております。
お預かりしておりました「漏斗と螺旋」の校正結果をご報告いたします。
たまたま原本を見ることができましたので、照合校正をいたしました。
なお、以下の内容で、行数はページ行を1行目として数えております。

*9p-4l 侏儒  こびと?  しゅじゅ?
 複数の辞書を見ましたが、小人にあたる漢字は「小人」しかありませんでした。
 とはいえ、小説では同じ意味であれば当て字的に漢字を使うことは多々ありますし、点訳的には「こびと」のほうがいいと思います。
 たぶん「こびと」でいいと思いつつ、わずかに迷いが残りました。

>11p-13l 劇場付き  げきじょーづき
 広辞苑の「づき」に、地位や役目を表す名詞について~と
あります。それと同じに考えて、「づき」でいいと思います。

*14p-18l 先に比べれば
 さきに? さっきに? せんに?
 「先」に上記のヨミがあります。 私には、さっき せん さき の順でしっくりくるのですが。

>20p-14l  ロマンチック好き  すき? ずき?
 「ずき」でいいのではないでしょうか?
 ロマンチック すき とマスアケすると、批判的というか、からかうみたいな感じが出るように思えます。娘の他の言い方からはそういう性格でもなさそうなので。

>29p-2l・30p-14l 群 むれ? ぐん?
 「むれ」でいいのではないでしょうか。

>29p-9l・32p-18l <~>--? <~> --?
 入力のままでいいと思います。前の文が完結していますので。

*34p ページ数はとり、白紙になりますか?
 
*のいずれも、正誤の問題ではなく、どう考えるかの問題ですので、ご判断くださいますよう、お願いいたします。

こうやって見てきますと、入会直後に、音訳だと読み手の解釈が入るからしっくりこないと書きましたが、音声ほどインパクトは強くないものの、やはり点訳でもそれなりに人によってちがってくることが分かり、改めて点訳も同じように難しいなと思いました。 
                     すえつむはな

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Re: 飲:「漏斗と螺旋」(再アップ)確認のお願い>すえつむはなさん

すえつむはなさん、こんにちは。

早々に、見ていただいて大変ありがとうございました。
大変丁寧な解説、とても勉強になりました。

●侏儒
1)「こびと」読みにした決め手は、「ふりがな文庫」の優先順位でした。
前回「ふりがな文庫」→こびと 34.8%/しゅじゅ 32.6%
今回「ふりがな文庫」→こびと 34.0%/しゅじゅ 31.9%

データ値が少しの期間で変わってることに驚きました。
改めてその内容を読み返すと、「こびと」と読むときは、ルビがついてることが多かったです。
2)辞書引きすると、「ひき」で始まる熟語が多く悩む。
3)「しゅじゅ」だと、自分の連想内に「こびと」「侏儒」が思い浮かばない(という貧弱な……)。
4)原本「~~骨は動物か侏儒の頭骨のように~~」と、「侏儒」が普通の連想範囲にあるのだろうと思えてきて、「しゅじゅ」に変更します。

●(奥付前の偶数頁)
>*34p ページ数はとり、白紙になりますか?

てびき第4版 P198L3「処理」準拠で、頁数は入れたままにします。
大昔「偶数頁にも頁数を入れないと、点字印刷の際、紙送りが奇数頁で止まってしまって不便」とどなたかがおっしゃっていた記憶があります。奥付には頁数を入れないので、特殊な場合だったかもしれません。

●先に比べれば
>私には、さっき せん さき の順でしっくりくるのですが。

今回、もう一度ご意見を伺いたいので、すみませんが、もうちょっとだけお付き合いいただけますか?

1.以前、山尾悠子の『歪み真珠』『小鳥たち』を点訳しました。この著者の作品は特に漢字の読みに悩みます。そのせいで『飛ぶ孔雀』も迷っているうちに、機を逃してしまいました。

ところで、『歪み真珠』(ちくま文庫)では、
1)原文 P66L6(「さきに」と読んでしまった)
呆然としたままのアントワーヌに向かってイラリヨンは続けた。「確かにわたくしにはいつでもかれらを送り出すだけの用意があったのですがーー師は先にこのように申されましたね。私は何も洩らしてはおらぬ、と」
 →ここでの「先に」は、「漏斗と螺旋」P77下12「その様相は先に見た折に比べて~~」と同じく「さきに」と読んだが、どう思われますか?

2)原文 P110L9(ひらがなで「さっき」)
「でも可愛らしいリボンつきの摘み花ばかりだったよ。女の子に人気でもあったのかね、まさかね」伯母は不審そうにしていた。「さっきの子たちとかね」

2.「先」じゃなくて、「先に」で辞書検索しました。
その中でおもしろかったのが、
1)NHK
発音図: サ\キニ
発音図: サ/キニ

2)岩波国語辞典(1995年10月19日 第5版第2刷)
[連語]まえに。以前に。「―述べたように」▽「結論は―延ばした」のような用法とは別。→さき(先)

3)新明解国語辞典(2007年1月20日 第6版第8刷)
(副)その事があったのが、現在をさかのぼる ある時点において のことである様子。「―発表された政府の統計によると/―行われた停戦交渉では」

特に『新明解国語辞典』の事例が合ってるような気がしてます。(この新明解はおもしろいと聞いてて、好意?を持ってます)
「先に」で調べましたが、この「口調は先に比べれば」の場合、その前提(検索語「先に」)自体が間違っているかもしれませんね。

3.P77下12「その様相は先に見た折に比べて~~」
この「先に見た折に」は、「口調は先に比べれば」と用法が違う?
「口調は先に比べれば」は、副詞じゃなくて連語?

決して「さきに」に拘ってるわけではわけではありません。
「さっき」だと多少口語っぽい感じがするかな?程度です。

「こびと→しゅじゅ」は変更します。
あとは「先」の読みだけ宿題にしてます。

自分でも、わけがわからなくなってきてますが、ご意見ありましたらよろしくお願いします。(淮)

※2020.5.16 一部内容を書き換えました。

┗━淮(わいY)━┓

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Re: 飲:「漏斗と螺旋」(再アップ)確認のお願い>すえつむはなさん

淮さん
こんにちは。
しっとりした雨の週末となりました。

いただきましたコメント、難しくて何度も読み返しました。
深く理解するまでには至っていない不安もありますが、「先に」についての私の感想はかなりムード的なレベルからのものです。
「さっきに くらべれば」が、しっくりくると申しましたのは、「さっきにくらべれば」が、「わたし」の受けた印象という感情に基づいている、まさに口語的なものだから、柔らかい読みのほうがいいのではないかと感じたわけです。

77pの「先に」のほうは、語の使い方として、「さっきにみた」とはいいませんよね。「さっきみた」とはいっても。
例にあげられていらっしゃる「師は~先に」も同じケースではないかと思います。

新明解の例の「先に」は、以前にという意味では同じですが、「さっき」という、ごく短い時間の経過ではないという点で
まったく同じとはいえないように思います。

まとめてみますと、それがどんな場面で使われているか、次にくる語がなにかによって、選択の余地のあるもの、使い方としてはふさわしくないものなど、個々のケースで異なってくるような気がします。

こんなことで、お答えになっているか心配ですが。

三省堂の国語辞典と新明解の二人の編者にまつわるあれこれや
ふたつの辞書の違いなどを書いた本が、「新明解の謎」(だったと思います)ほか何冊か出ていまして、「舟を編む」とは違った辞書造りの世界が垣間見られて面白かったのを覚えています。
                      すえつむはな

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Re: 飲:「漏斗と螺旋」(再アップ)確認のお願い>すえつむはなさん

淮さん
こんにちは。
しっとりした雨の週末となりました。

いただきましたコメント、難しくて何度も読み返しました。
深く理解するまでには至っていない不安もありますが、「先に」についての私の感想はかなりムード的なレベルからのものです。
「さっきに くらべれば」が、しっくりくると申しましたのは、「さっきにくらべれば」が、「わたし」の受けた印象という感情に基づいている、まさに口語的なものだから、柔らかい読みのほうがいいのではないかと感じたわけです。

77pの「先に」のほうは、語の使い方として、「さっきにみた」とはいいませんよね。「さっきみた」とはいっても。
例にあげられていらっしゃる「師は~先に」も同じケースではないかと思います。

新明解の例の「先に」は、以前にという意味では同じですが、「さっき」という、ごく短い時間の経過ではないという点で
まったく同じとはいえないように思います。

まとめてみますと、それがどんな場面で使われているか、次にくる語がなにかによって、選択の余地のあるもの、使い方としてはふさわしくないものなど、個々のケースで異なってくるような気がします。

こんなことで、お答えになっているか心配ですが。

三省堂の国語辞典と新明解の二人の編者にまつわるあれこれや
ふたつの辞書の違いなどを書いた本が、「新明解の謎」(だったと思います)ほか何冊か出ていまして、「舟を編む」とは違った辞書造りの世界が垣間見られて面白かったのを覚えています。
                      すえつむはな

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Re: 飲:「漏斗と螺旋」(再アップ)確認のお願い>すえつむはなさん

淮さん
すみません。
同じコメントがふたついってしまいました。
新PCに問題があって、老体の旧PCを使いましたので、反応が遅く、お送りするのに失敗したかと再度保存をクリックしてしまいました。
すえつむはな

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Re: 飲:「漏斗と螺旋」(再アップ)確認のお願い>すえつむはなさん

すえつむはなさん、こんにちは。
長い上、意味不明な文を読ませてしまってすみませんでした。
すえつむはなさんのコメントは、簡潔でわかりやすかったです。

重複投稿は、たまに見かけますので、気にしなくて大丈夫です。
どうしても気になるなら、二つ目を「編集」で書き換えればいいと思います。
「重複です」みたいに。

そういえば、『飛ぶ孔雀』の「先に」はまだ調べてなかったと思って調べました。概ねわかった範囲では、会話文の中にだけ「さっき」がありました。「先に」の調べでは、「口調は先に比べれば」みたいな使い方はなかったような。

『飛ぶ孔雀』P64L-3
「いもうとさんが見えていたわよ、ついさっき」
『飛ぶ孔雀』P72L-5
「肩。さっきから誰か掴んでる」

で、私も「ムード的なレベル」、6:4、地文なので「さき」を採用しようと思います。

『新解さんの謎』赤瀬川原平?
今はまだベストセラーは読まずに過ごして、もう少しだけトシをとったときの楽しみにと思ってます。それでもこの連休は『ダ・ヴィンチ・コード』を読んで、「どこかで読んだことある」感、ハンパなかったです。ということは最近の作品はこの作品の影響を受けたということだな、とつくづく思いました。

以下、変更した、BファイルのBASE&BESデータを添付します。
9- 4 こひ゛との  → しゅじゅの

また、よろしくお願いします。
こんな感じで、今年も「芥川ショー」(順調なら6月半ば頃)をやりたいと思います。もしよかったら是非。
図書館の開館がどうなるか心配ですが。(淮)

roto_b.zip

┗━淮(わいY)━┓

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