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もも缶プロジェクト

 今は当たり前になっているグループベーシングの元祖が「もも缶プロジェクト」です。

 さくらももこの『ももの缶詰』を分担して点訳しようと言う企画でした。この企画を出した時に、福井哲也さん(初歩から学ぶ英語点訳の著者)から以下のような応援メッセージをいただきました。福井哲也さんには、わからない事をたくさん教えていただきました。

 今、このボードで1冊の本を分担して点訳しようという話がまとまりつつあるようですね。これは、とてもすばらしいことだと思います--いろんな意味で。  分担をすれば、それぞれの人の力と状況に応じて分担量を調整することができますよね。また、共同作業を通じて、自分一人では気づかなかったミスや、表記上の問題点に気づくことも多いでしょうし、なによりも1冊の本が早く仕上がるという利点があります。ですから、この計画はぜひとも成功させていただきたいなと、私も大いに期待しているところです。

 さて、メンバーも集まり、分担も完成し、いよいよ電脳空間での初の試みがスタートしました。1991年4月22日の事です。以下、その時に私が書いたメッセージです。今から思えば、疑問なところも有る統一事項ですが。

 必要最小限のことだけ決めておきましょう。
1・タイトルは頭6マス空けて、7マス目から書き始める。
2・タイトルの次の行は1行、空白とする。
3・頭は2マス空けて3マス目から書き始める。次の段落が来るまで(つまり、次に3マス目から書き始めるまで)は改行しない。
4・””は < >(第2カギ)で書く。他のカギ類、カッコ類はそのまま書く。
 例、195ページ。”わたしの『ちびまる子ちゃん』体験”は <わたしの 『ちびまるこちゃん』 たいけん> と書く。
5・傍点は必要最小限のものにとどめる。例えば194ページ。「ハウスシャンメンたまごめん」の「たま」に傍点がついているんですが、これは傍点がないとミュージシャンの「たま」にかけていることがわかりません。こういう場合は傍点をつけましょう。他はあまり必要性を感じません。
6・びっくりマークとクエッションマークが並んでいるときは2つ書く。同じものが2個並んでいるときは1つでいいと思います。「えっ!?」はそのまま。「差をつけた!!」の「!!」は「!」1個にしましょう。
7・中点は使用するが、外国語の単語の切れ目に入っているようなものは省略する。
 例 「テイク・ケアー・オブ」は「ていく けあー おぶ」としましょう。
8・具体的な数を表しているような数字はかなではなく数字を使う。
 例、2400匹、5百か6百等の場合、「せん」や「ひゃく」を使わず、「2400ぴき」「500か 600」のように書く。
必要最小限なんて言っておきながら、結構多くなってしまった。ほとんどわかって見えることばかりと思いますが、一応確認ということで書きました。疑問点はどんどん言ってください。
 さて、もうすでに始めて見える人もいますから、できあがったら、私にメールでください。
かなテキストでも点字コードでもどちらでも結構です。ワープロ使用の方も遠慮なくどうぞ。圧縮できる方は、できるだけ圧縮して送ってください。疑問点も書いて送ってください。
 私の所に集まったファイルは、私が1次校正をさせていただきます。直した部分は作製者にメールで送り、確認をとります。そこで意見がある場合はまたメールをいただきます。送る前には原本としっかり照合をしてください。わかちがきの間違いはかまいませんが、原本と違っていることがないようにしっかりチェックをお願いします。
 訳している間にわからないところが出てきたら、ここに書き込んで皆さんの意見を求めましょう。
全員のファイルが集まり、1次校正が終わったら、レイアウトを調整してライブラリの8番へアップします。そこで、ダウンできる人はダウンして見ていただき、レイアウト等に意見のある場合は言っていただく。そして、最終校正をしていただき、7番へアップしたいと思います。
 始めてのことですので、途中、思わぬことが出てくるかもしれませんが、その都度、相談しながらやっていきましょう。とりあえずはこんなところでスタートしたいと思います。
 なお、奥付には本名を書くことになっていますが、不都合な方はハンドルのままとします。
では、「もも缶プロジェクト」、よーーい、どん。

 そして無事初のグループ点訳が終了し、以下のメッセージをいただきました。

 ナビールさんより

 てんまはかせ、てんまはかせがまとめ役になっていただき、FEYEの多くの皆さんが点訳していただいた、「もものかんづめ」の校正をさせていただきました。分担点訳という初めての企画、一次校正も含めて大変な作業だったことでしょう。本当にありがとうございました。こういう形態の点訳に多くの人が慣れて来ると、ボリュームのあるものは自信がなかったり、時間的に無理があったりする人が何人かでけっこうボリュームのある本を、比較的速く点訳できるということになり、すごいことだと期待しています。それにしても、まとめを担当していただく方のご苦労は大変ですけれど。

 福井さんより

 モモカンの完成、おめでとうございます。すでにみなさんがおっしゃっておられるように、新刊図書がこんなにも早く点字になったというのは、本当にすごいことです。そして、ナビールさんがお勤めの点字図書館でも、この本が蔵書となるようで、本当にすばらしいことだと思います。

 ナビールさんより

 FEYE点訳グループの皆さんの手で、グループ点訳していただいた『桃の缶詰』のデータを、私の務める図書館で利用させていただき、2部プリントアウトして、貸し出しておりますが、現在もまだ予約が捌けず十数人の読者が待っているという状態が続いています。 他にも、FEYEのデータを利用させていただいていますが、どれも読者に喜ばれております。特に『桃の缶詰』の希望が多いので、ご報告です。 今後とも皆さんよろしくお願いします。

 もも缶プロジェクト大成功だったわけですが、全てが順調と言うわけでは有りませんでした。

 初めての試みと言う事で、私もちょっとハイになっていた部分が有りました。私が少し分かち書きに厳格だった事と、作業が遅れている人に催促した事に対して反発が有ったのです。
 楽しみのために点訳をしているんだから、もっと気楽にやろうよ、と言う意見でした。
 私は皆同じような考えで取り組んでいるものだと思いこんでいましたが、人それぞれだなと感じ、それ以後、私たちはいわゆる点訳ボランティアでは無く、自分の楽しみの為に好きな本を好きなペースで点訳すると言うスタンスを採る事になりました。この事は後に物議を醸すのですが、それはまた別の話で。

 もも缶プロジェクトの成功により、グループで点訳する動きが活発になってきました。一人で全部点訳すると言う事は、初心者にとってはかなり困難な事なので、このやり方は好意的に受け入れられました。グループで点訳するので、「ぐるてん」と言う名前が付きました。

 ニフティは大きなネットワークなので会員数も膨大です。FEYEだけでも1万人を超える会員がいました。ですから、全く点字の事はわからないけど点訳したいと言う方が毎日来られたのです。そこで、経験者がリーダーになって、全くの初心者にぐるてんをさせて、その中で点訳の勉強をして行こうと言う動きが出てきました。初心者の事を「ひよこ」、経験者の事を「親鳥」に見立て、「ひよてん」と称しました。後に「ひよこ組」となりました。

 しかし、順風満帆と思われたFEYEの点訳活動にも暗雲が立ちこめてきたのです。

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