自炊

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 国語辞典で「自炊」を牽いてみると「自分で自分の食事をつくること」と有るのですが、インターネットで検索すると全然別の意味のものしかヒットしません。

 注文してあるKindle Paperwhiteは来年の初めに到着予定でしたが、少し早くなって12月の末になったようです。

 アマゾンから無料のKindle本を購入して、iPadで読んでみているのですが、一番良い事は文字が拡大できると言う事ですね。こういう新しいものは若い人がまず飛びつくものですが、Kindle本は老眼の人の需要が多いのではないでしょうか?

 これが標準の文字の大きさ。iPadは画面が大きいのでこの大きさでも楽に読めます。(画像をクリックすると拡大します)

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 設定で文字の大きさを変える事ができます。普通は文字の大きさを拡大するとディスプレイの画面からはみ出すのですが、電子書籍の場合ははみ出しません。以下のようになります。

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 これは素晴らしい機能ですね。点訳者にとってはなによりでは無いでしょうか? 結構離れた位置の書見台に載せていても楽に読み取れます。

 しかし、残念な事に点訳したい書籍がKindle本になっていません。コンピュータ、ソフトなければただの箱。Kindle、コンテンツなければただの板。

 しかたが無いから自炊する事にします。ここで言う自炊とは、本をスキャナーで読み取りPDFファイルにして電子書籍端末に送る事です。

 本のスキャンは、今までのようにフラットベッドスキャナーでやっても良いのですが、何百ページもある本ではたいへんな作業になります。ですからドキュメントスキャナーを使います。切断して30枚ほど束にした本を2、3分で一気に両面を読み取っていきます。普通の文庫本1冊を読み取るのに10分程度。

 かなり綺麗にスキャンできました。

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 ただ、これは売られている書籍データのように設定で拡大する事ができません。本の1ページをそっくり画像データとして取り込んでいるので、ピンチアウトで拡大すると周囲の文字が画面からはみ出してしまいます。
 でも、文庫本1ページを、iPadで表示するとほぼ2倍の大きさになるのでピンチアウト無しで結構快適に読む事ができます。
 また、ピンチアウトでルビを確認することで虫眼鏡は必要無くなりました。

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 世の中には信じられないようなソフトを作る人がいるもんで、自炊データでもKindle本のように1行の文字数を変更できるソフトが有ります。
 仕組みは画像データの中から文字ブロックを細かく切り出し、指定した文字数になるように行の途中から文字画像を次の行に送ると言うものです。以下のようになります。あくまでも文字画像なので、時々「こ」の上と下が分かれるようなミスも起こりますし、禁則処理はされないので句読点が行頭に来たりします。

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 もうひとつ自炊の利点として、古くて黄ばんだ本でも工夫次第で新品のような画像として取り込む事ができます。

 娘が小さい時に読んでいた古い本が有りましたので自炊してみました。ページの周囲が黄ばんでいて額縁のようになっています。

 これが紙の本です。

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 自炊してiPadに取り込みました。

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コメント

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みのりさんのユーザアバター

Re: 自炊

自炊するためには、本を切断しなければならないというのは、私には、ちょっと、難点かなあと。
なかなか、切断はできかねます(^^;)

電子書籍のリーダーのバッテリーの保ち具合ですが、2週間とか3週間とか謳っていますが、1日に30分程度で2週間などと算出していて、そんなばかなと笑いたくなります。

iPadでは、どのくらいの持続時間ですか?

家で読んでいるには、充電できるので、連続で何時間でもかまわないのですが、私は長期旅行に携帯したいと思っているので、持続時間がきになります。
連続で10時間は、保ってほしいのです。

ページの切り替えはスムーズですか・
ソニーのリーダーを試したときには、コンマ何秒かなのですが、もたつきがとてもきになって、これはだめだと思いました。

eTypistの最新のバージョンは、自炊に対応しています。
私は、iPadなどの端末は保っていないので、専用のリーダーでとなりますが。

-- みのり --

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悟空さんのユーザアバター

Re: 自炊

 みのりさん、こんにちは。

>なかなか、切断はできかねます(^^;)

 切るのは忍びないか、切ってまで電子書籍が読みたいかのせめぎ合いとなりますね。

 一旦電子書籍の利点を享受したら紙の本には戻れないというので有れば、忍びがたきを忍んでバッサリ切らざるを得ないかも知れません。どれくらいの利点が有るかと言うことですね。

 Kindle本は、文字を拡大したままページ送りができますが、自炊データの場合はピンチアウトで拡大したまま次のページには行けません。次のページに移ったら最初の大きさに戻ります。iPadの画面で文庫本の倍くらいの大きさですから、これで充分と言う事で有れば利点が有りますね。

 他の利点としては、辞書がその場で牽けると言う事ですかね。Kindleには大辞泉が入っていると言う事ですが、これはKindleが到着してからで無いとどんな具合かわかりません。現在はiPadでi文庫HDと言うアプリ(800円します)を使って読んでいるのですが、検索したい文字を長押しする事によって辞書が起動します。ちょっと文字範囲の選択がめんどうですけど。今までのようにDDWinを立ち上げて検索などと言う事はしなくてよくなります。

 また、「検索」を使えば、指定した文字列がその本の中のどこで使われているのか一覧が出ます。一覧の中の1つをタップするとそのページにジャンプします。使いようによっては結構便利かなと思います。

 電池の持ちですが、Kindleは全く気にする必要がないくらい長持ちするそうです。これはEInk社の電子ペーパーと言うものを使用していて、「表示中に電力を消費しないか、又は極小で済む。書き換え時の消費電力も非常に少ない」と言う事だそうです。電力を消費するのはページが変わる時とバックライトを使っている時だけなので、昼間バックライトを使わないので有れば、ほとんど電力は消費しませんね。

 iPadの場合は、測った事が無いのですが、かなり長持ちするようです。多分1日中本を読んでも大丈夫なんじゃ無いかと思います。家で使う事が主ならiPad、外で使う事が主ならiPadminiがいいですね。iPadを持って本を読むと肩が凝ります。

 ページの切り替え時間は人それぞれ感じ方が違いますので何とも言えませんね。私が速いと感じても他の人は遅いと感じるかも知れません。
 Kindleは巷の噂では遅いようですね。テレビのニュースで見ましたが、ページが変わる時に一瞬白黒が反転していました。これは結構気になるかも知れません。

 ここらあたりは家電量販店で実物をご覧になる事をお奨めします。

 

                       悟空

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