影媛―山野

淮さんのユーザアバター

山野のルビ

やまの 日本書紀(1) 新編日本古典文学全集2 P351
やまの 日本書紀下 P80
やま  日本書紀(2) 新編日本古典文学全集3 P167
さんや 日本書紀(2) 新編日本古典文学全集3 P385

別に、日本書紀のルビでなくてもいいと思いつつ調査。
ルビもないのに「やま」は無理とだけは言える。
それにしても同じ本の中で3つのルビがあったのに驚いた(多分担当者は違うと思うが)。

<以降の調査予定>
汝、言、吾、誰、妹、何故、室、細刀、何処

コメント

Replied
淮さんのユーザアバター

Re: 影媛―山野

吾・我

両方出てくるので、吾は「あ×」、我は「わ×」とした。
前半部の「吾」の使い分けがどうしてもわからなかったので、(「あ」「あれ」「われ」の3種の使用)、「あ」「あれ」で処理。

<日本書紀の用例>
わが婦 わがめ 日本書紀(3)文庫P46 3冊とも
わが児 わがこ 日本書紀(3)文庫P48 3冊とも
吾は われは 日本書紀(3)文庫P48 3冊とも
あ 祖吾笥 おやあけ 日本書紀(3)文庫P78 3冊とも
われ 吾らが父 小学館2 P248
わ  吾が父 文庫P124
われ 吾聞く 文庫P124・岩波 P522
われ 吾聞くらく 小学館P249

<参照資料>
日本書紀(1)(2) 新編日本古典文学全集 小学館
日本書紀 上・下(新装版) 岩波書店
日本書紀(一)~(五) 文庫版 岩波書店

┗━淮(わいY)━┓

Replied
淮さんのユーザアバター

Re: 影媛―山野

「細刀」→ほそたち

1)ほそみ 言海和語
2)ほそたち
『倭名類聚抄』の索引に、「ホソタチ【細刀】」あり。
その参照先とされる『箋注倭名類聚抄』の見出し語は「長刀」で、それを「細刀」と言い、その和名を「保曾太知」といったようです。(ハッチーさん情報)

┗━淮(わいY)━┓

Replied
淮さんのユーザアバター

Re: 影媛―山野

「辺」
grep検索結果より

txt(9,4) : 川の辺の一処に
※みちのべ【道の辺】、やまのべ【山の辺】、ほとり? ●→ほとり
txt(9,4) : 川の辺に晒していた ●→ほとり
txt(100,81) : 泊瀬(はつせ)の辺とも異なっている ●→あたり
txt(105,46) : 磐の辺に ●→あたり
txt(297,92) : 腹の辺で ●→あたり
txt(302,10) : 舎人や奴等がいる辺からも ●→あたり
txt(310,5) : ――其辺が流れに漬けおけ。 ●→そのへん
txt(328,134) : 蓋(きぬがさ)が並んだ辺から ●→あたり
txt(383,88) : 平群の族の辺のみが黙していた。 ●→あたり
txt(385,28) : 二人の大連の辺へと近付いていた。 ●→あたり
txt(433,14) : 布留川が辺に来んか。 ●→へん
txt(448,20) : 宙の辺を見つめた。 ●→あたり
txt(746,207) : 此の辺では ●→このへん

txt(803,33) : 水漬く辺隠(ごも)り ※→へ
txt(809,122) : 眼の辺を掻く様にして ●→あたり
txt(827,28) : 鼻孔の辺に漂った。 ●→あたり

▼辺り
txt(105,46) : 辺りを見廻した。
txt(231,42) : 辺りを見渡した。
txt(312,59) : 腰骨の辺りの肉
txt(326,252) :辺りを見廻した。
txt(450,2) : 辺りには
txt(511,267) : 辺りを見廻したが、人影は無かった。
txt(515,43) : 水は辺りへ烈しく飛び散った。
txt(811,15) : 胸の辺りから水に沈んだ躰の

▼~辺
水辺 川辺

28 個が検索されました。

┗━淮(わいY)━┓

Replied
ハッチーさんのユーザアバター

Re: 影媛―山野

うわぁ~~~、うわぁ~~~です。

淮さん、ボキャブラリーの少ない私にはなんとも表現のしようがありません。
ただただ敬服するのみです。 <(_ _)>

ヒタ、ヒタ、と「その時」が迫りくるのを感じます。(^^ゞ

*ハッチー*

Replied
淮さんのユーザアバター

Re: 影媛―山野

ハッチーさん

遅くなって本当に申し訳ないです。
単行本発売前にアップしようと思っていたのですが、週末作業になっているので、どうなることやら。

図書館から借りてる本、20冊中14冊が記紀です。3冊までしか予約できないので、(上)だけ受け取りに行ったら「(下)もどうですか?」とカウンターに用意されてました(笑)。

池澤夏樹の古事記、やっと回ってきました。たまたま点心でやってる作品に「ミツハ」と出てきたので、この本の該当箇所を見たら「オシッコから生まれた」と。岩波は『影媛』によく出てた「尿(ゆまり)」とありました。「ゆまり」をすんなり受け入れた自分に感心しちゃいました(笑)。(淮)

┗━淮(わいY)━┓

Replied
淮さんのユーザアバター

Re: 影媛―山野

<雑誌→単行本>(相違箇所No.1)
P 9下 蓴菜(ぬなわ) → 根蓴菜(ぬなわ)
P10下 平群大臣(へぐりおおおみ)→ 平群大臣(へぐりのおおおみ)
P12下 身動き → 身動(じろ)き
P14上 身動(じろ)ぎ → 身動(じろ)き
P16上 手上(たがみ) → 手上(たかみ)
P17上 繋く → 繁く
P17下 言言 → 言
P19下 棚引 → 棚引く
P19下 熟瓜(ほそぢ) → 熟瓜(ほそじ)
P23上 途絶え目 → 絶え間
P25下 適し → 宜し
P27上 割き続け → 肝を割き続け

sigeku.jpg

┗━淮(わいY)━┓

Replied
淮さんのユーザアバター

Re: 影媛―山野

<資料>
古事記:岩波古事記祝詞、新潮日本古典集成古事記
日本書紀:小学館新編日本古典文学全集2・3、岩波日本書紀文庫版1~4
万葉集:小学館新編日本古典文学全集9

<引用一覧>

P30上L2 万葉集 巻16 小学館P138
――八重畳 平群の山に
――さ牡鹿の 来立ち
――頓(たちまち)に 吾は死ぬべし
P31下L3 日本書紀2 小学館P271・岩波3P146
――潮瀬の 波折(なをり)を見れば
P43上L8 古事記 新潮P116・岩波P157
――宇陀の高城(たかき)に鴫罠(しぎわな)張る
――前妻(こなみ)が肴乞(なこ)はさば
P44上L11 新潮P117・岩波P159
――忍坂(おさか)の大室屋に
P48下L8 日本書紀2 小学館P271・岩波3P146
――潮瀬の 波折(なをり)を見れば
――臣の子の 八重や韓垣
――大太刀を 垂れ佩き立ちて
――大君の 八重の組垣 懸かめども
――臣の子の 八節(ふ)の柴垣
――琴頭(がみ)に 来居る影媛
――大君の 御帯の倭文服(しつはた)
P53上L-6 日本書紀1P218
――今はよ、今はよ、ああしやを
P53下L-7 日本書紀2 小学館P273・岩波3P150
――石上(いすのかみ) 布留を過ぎて
P54上L16 日本書紀2 小学館P275・岩波3P152
――あをによし 乃楽の谷(はさま)に

┗━淮(わいY)━┓

Replied
淮さんのユーザアバター

Re: 影媛―山野

「吾」「我」の読み最終

・我 3カ所 すべて「わ」
P28 我先に → われさきに
P43 我が待つや → わがまつや(古事記)
P54 我が愛しき → わが

・挿入文 原本P30(資料:小学館 万葉集P138)
大道芸人が道を行く男に呼び掛ける場面
「わ」大道芸人の主格
「われ」鹿の主格
「あ」鹿の所有格

10. ――八重畳 平群の山に 二つ立つ 櫟(いちひ)が本に 梓弓 八つ手挟み 鹿(しし)待つと 吾“わ”が居る時に、
11. ――頓(たちまち)に 吾“われ”は死ぬべし 大君に 吾“われ”は仕へむ 吾“あ”が角は御笠の料(はやし) 吾“あ”が耳は 御墨の坩(つぼ) 吾“あ”が目らは 真澄の鏡 吾“あ”が爪は 御弓の弓弭〈ゆはず〉(ゆはず) 吾“あ”が毛らは 御筆料 吾“あ”が皮は 御箱の皮に 吾“あ”が肉(しし)は 御膾料 吾“あ”が肝も 御膾料 吾“あ”が(みげ)は御塩の料 耆(お)いたる奴 吾“あ”が身一ツに 七重花咲く 八重花咲くと 申し賞(はや)さね 申し賞さね

・「吾」の読み
「あれ」主格・目的格としたい
「あ」所有格のみとしたい

1. 媼には非ず、吾“あれ”にも非ず。
2. ――吾“あ”が屍を訪おうとて、彷徨う日(け)長く…
3. ――平群が宴会へ行かんは吾“あ”が心ならず。
 太子の御為とて造りし室に、大臣自ら住むとな。
4. 吾“あ”が久しく申し続けたる事に御答え有り。
5. ――吾“あ”が女(むすめ)、影媛が事。
6. 吾“あ”が望む方へと彼女を向かわせようとする意を取り隠そうと云う構えさえ無かった。
7. ――汝、此処に居れ。吾“あれ”、代わりて行かん。
8. ――物部の。…吾“あれ”を戮さんとか。
9. ――久米部か。…何故吾“あれ”に聞く。大臣に聞け。
10. ――八重畳 平群の山に 二つ立つ 櫟(いちひ)が本に 梓弓 八つ手挟み 鹿(しし)待つと 吾“わ”が居る時に、
11. ――頓(たちまち)に 吾“われ”は死ぬべし 大君に 吾“われ”は仕へむ 吾“あ”が角は御笠の料(はやし) 吾“あ”が耳は 御墨の坩(つぼ) 吾“あ”が目らは 真澄の鏡 吾“あ”が爪は 御弓の弓弭〈ゆはず〉(ゆはず) 吾“あ”が毛らは 御筆料 吾“あ”が皮は 御箱の皮に 吾“あ”が肉(しし)は 御膾料 吾“あ”が肝も 御膾料 吾“あ”が(みげ)は御塩の料 耆(お)いたる奴 吾“あ”が身一ツに 七重花咲く 八重花咲くと 申し賞(はや)さね 申し賞さね
12. ――吾“あ”が肉は 御膾料
13. …吾“あ”が後を、占えよ。巫が言を、聞かん。
14. 木菟宿禰が後継ぎて、平群の基、確かに固めたると思いしを、吾“あ”が亡(う)せん後、宴会にて鹿舞舞う心にて族の長と成らんとか。
15. ――吾“あれ”、常に神をば見いだしたり。
16. ――吾“あれ”、鹿を戮せしは真なり。されど、其れによりて吾“あれ”、鹿になりぬ。山野の王の、吾“あれ”となりて生きてあり。
17. ――吾“あれ”、今宵海石榴市へ行くべし。
18. ――吾“あれ”も、共に行かん。
19. ――吾“あれ”も男なれば、闘歌(かがい)せん。
20. ――吾“あれ”に語るも、大伴連に語るも、等しき事。
21. 待ちて再度促せども最早吾“あ”が声の聞こえぬ如し。
22. 悉に、吾“あれ”に恥見せんと思い定めたるな。
23. 吾“あれ”を童と思いたらん。…されど、
24. 歌垣にて衆(ひとなか)に交わらんに、吾“あ”が詠む歌はいと拙し。
25. …吾“あれ”は太子に随きて行かん。
26. ――吾“あれ”も行かん。
27. ――影媛。吾“あ”が宮へ来んか。
28. ――汝、真に吾“あれ”を愛しと思わば、吾“あれ”汝と天下(あめのした)治めん。
29. ――琴頭(がみ)に 来居る影媛 玉ならば 吾“あ”が欲る玉の 鰒白珠(あはびしらたま)
30. ――太子よ。吾“あれ”、志毘臣を除て男無しと、思えり。
31. 今だにも 吾子(あご)よ。
32. 今だにも 吾子よ。

┗━淮(わいY)━┓

コンテンツ配信 コンテンツ配信