名古屋城木造天守閣模型を作る(58)

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ここまでは、主にヒノキ材で作ってきましたが、外壁は住宅模型に使われる紙張りスチレンボードを使います。
スチレンボードというのは、ポリスチレンフォームでできたボードの両面に上質紙を貼り付けたものです。

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一層から三層までは5ミリ厚のスチレンボードを、四層と五層は4ミリ厚のスチレンボードを使います。
これを直角に貼り合わせると、スチレンボードの切り口が見えて見栄えが良くありません。

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切り口が見えないようにするには、断面を正確に45度に切る必要が有ります。
少しでも45度からずれると写真のように直角になりません。

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そこでよく使われるのが「紙一枚残し」というテクニックです。

スチレンボードは厚さ0.1ミリ程度の上質紙が両面に貼って有りますが、接着する部分の紙だけを残して残りを取り去ります。

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残した紙の上にスチレンボードを直角に接着します。

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残した紙でスチレンボードの切り口が隠れ、綺麗に仕上がります。

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これまでに作ってきた各層は、4ミリ厚のシナベニヤの上に作ってあります。
スチレンボードの壁をその上に乗せると、シナベニヤの断面が見えて見栄えが悪くなりますので、この断面も残した紙で隠します。

壁の表面は漆喰が塗られているため白色ですが、内側は木材が使われていますので白色のままでは不自然です。
裏面だけ薄茶色に塗装します。

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これは、紙とポリスチレンフォームの間にカッターナイフの刃先を入れる道具です。
カッター替え刃の下にもう一枚の替え刃を1センチほどずらして接着してあります。操作しやすいように木片をセロテープで貼り付けました。
刃先をスチレンボードに差し込み、この道具を滑らせると替え刃一枚分の厚みだけ残す事ができます。
替え刃の厚みは0.3ミリ程度で紙1枚よりは厚くなるのですが、特に問題はありません。

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次に、シナベニヤの厚みだけカッターナイフで切り込みを入れていきます。
紙を切り抜かないように慎重に刃先を滑らせて行きます。
紙に到着寸前まで切り込んだら端を折ると余分な部分が取り去られます。

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五層分の壁板を作りました。接着部分は紙一枚残しで取り去ってあります。

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仮組みをしてみました。
これから窓を開け、格子を付け、内側に柱と窓上下の桟を付けます。
身舎と外壁は梁でつなぎます。

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