11・検索・置換

 今までの説明で、基本的なT・エディタの入力・編集に付いては問題なくできるようになったと思います。これからは、T・エディタの機能を充分に発揮して、能率的な入力・編集を目指してみましょう。

 パソコンで点訳するメリットの一つに、検索と置換機能が使用できる事があります。墨字文書の中で目的の語を見付けることはなかなか難しい事なのですが、パソコンの場合は、検索機能で瞬時に見付ける事ができます。

 まず、検索結果がわかりやすいように、環境設定で検索結果が反転するようにしておきましょう。メニューバーの「その他(O)」の環境設定を開きます。「編集」タブをクリックしてください。「検索結果を反転表示(R)」にチェックをつけ、「OK」をクリックします。

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 では、検索をしてみましょう。次の例題をまず入力してください。検索のテストですから、最初の「赤褐色」は「せっかっしょく」、2番目の「赤褐色」は「せきかっしょく」と入力してください。「日本」は「にほん」と入力しますが、「日本では」は「にっぽんでわ」と入力してください。

■日本の栗の蜂蜜です。色は赤褐色で渋みがあります。風味が独特で好みの分かれるところです。他の蜂蜜より鉄分が豊富に含まれています。
■オーストラリアのユーカリの蜂蜜です。色は赤褐色で渋みがあるような変わった風味です。
■日本のレンゲの蜂蜜です。色は淡黄色で日本ではもっともポピュラーなことから蜂蜜の王様と言われています。
■各蜂蜜共、製品には絶対の自信を持っております。現在ユーカリの蜂蜜は在庫切れとなっておりますが、お取り寄せも可能です。価格は変動しますので、お問い合わせください。


 以下のように入力できましたか?

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 編集画面右上に検索文字を入力するウインドウが有りますので探したい文字列を入力します。

 次に、メニューバーの「検索(S)」をクリックし、「下の行(D)」「上の行(U)」をクリックすれば、ヒットした文字列が反転します。

 もうひとつ簡単な方法は、検索文字列を入力した後、CTRLキーを押しながら上下の矢印キーを押します。CTRL+↓でカーソルから下を、CTRL+↑でカーソルから上を検索します。今後は検索はこの方法で行う事にします。

 実際にやってみましょう。カーソルは先頭に置いておいてください。「赤褐色」の読みに迷いが有りました。「せっかっしょく」と入力した所と、「せきかっしょく」と入力した所が有ります。「せきかっしょく」に統一したいので、「せっかっしょく」と入力した所を見つける必要が有ります。検索文字に「せっかっしょく」と入力し、CTRLキーを押しながら「↓」を押します。「せっかっしょく」の文字列が反転しましたね。
 同様に「日本」は「にほん」に統一したいので「にっぽん」を検索して見つけましょう。カーソルが先頭に無い場合は、CTRL+↓とCTRL+↑の両方を実行してください。

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 次に置換を試して見ましょう。

 まず、検索文字を入力します。画面に検索したい文字が有る場合は、マウスカーソルをドラッグして反転させた後、F6を押せばウインドウに表示されます。
 「各蜂蜜」を「それぞれの蜂蜜」に変更したいと思います。検索文字ウインドウに「かく」と入力してください。次にSHIFTキーを押しながらF6を押します。検索文字ウインドウの下に置換文字ウインドウが開きます。検索文字と同じ文字が表示されている場合は、消して「それぞれの」と入力し、Enterキーを押します。画像のように問い合わせてきますので、「はい(Y)」を押します。「かく」と言う文字が反転しているのを確認してください。

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 反転していた「かく」が「それぞれの」に変わりました。しかし、下の方でも「かく」が反転しています。「価格は」の部分ですね。ここでOKを押すと「かそれぞれのわ」となっておかしな事になります。置換を行う時は、充分注意してOKを押す必要が有ります。

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 なお、画像1枚目の環境設定画面を見ていただくと、「一括置換を行う(I)」が有ります。ここにチェックを入れると、一括置換が可能になります。ただし、上の例のように思わぬ変換がされてしまう場合が有りますから、「にっぽん」を「にほん」に変更するような、間違いようの無い変換以外は使わない方がいいでしょう。
 
 では、次の例題を入力してください。

■円高で外国製品が安く買えるようになりました。先日買ったCDは500円でした。1ドルが160円の時から比べると、半分の値段で買えた事になります。


 以下のようになりますね。カーソルを先頭に持っていって、「えん」を検索してみましょう。検索文字に「えん」と記入し、CTRL+↓です。3箇所でカーソルが反転しましたか?

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 次に置換を実行して見ましょう。カーソルを先頭に持って行き、SHIFT+F6。置換文字列に「どる」と入力してリターンキーを押します。全て置換すると、以下のようになります。

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 さて、おかしな事になりました。4行目を見てください。「500_どる」「160_どる」と継符が入っています。「あ」行と「ら」行は継符が必要ですが、「どる」の前に継符は不要です。この継符は削除しないといけません。

 では、この文章の「どる」を「えん」に戻してみましょう。以下のようになりました。

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 最初の文章と少し違いますね。「500_どる」「160_どる」は正しく「500_えん」「160_えん」に戻りました。しかし、4行目の「1どる」が「16ん」になってしまいました。「1どる」の場合は継符はいらないのですが、「1えん」に変更すると、「1_えん」と継符が必要です。T・エディタは、「どる」を「えん」に変更しただけなので、このような事になったわけです。
 ですから、安易に置換を使わず、検索でまず文字列を調べ、「500円」とか「1ドル」の単位で書き換えを行うようにした方が間違いがありません。
 

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