名古屋城木造天守閣模型を作る(54)

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一層、北東の角の部屋は「金城温古録」には「井桁の間」と書かれています。
井桁とは井戸枠のことです。
井戸は地下に有るのですが、その上の一層からも水を汲み上げる事ができるように床に穴を空け、井桁を置いてあります。
天井の梁に滑車が取り付けられ、この井桁から地下の井戸まで釣瓶を降ろし、水を汲み上げられるようになっています。
井桁の間には「刀架」も有り、ここに刀を置いて奥へ進んだものと思われます。

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しかし、昭和実測図では板敷きになっていて、流しも井桁も有りません。
井桁の有った部分は3枚の板で塞がれているようです。
江戸時代には有ったけれど、昭和実測図が作られた時点では取り去られていたようです。

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昭和実測図の地下にはしっかりと流しと井桁が書かれています。

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地下の井桁は「金城温古録」にはこのように記されています。

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一層の井桁は地下のものに比べると薄くできています。

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これは、地下に有る井桁の実物大模型。
コンクリート天守閣の地下に展示されていました。

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刀架を作ります。これは簡単ですね。

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4ミリ幅の板を接ぎ合わせ、流しを作り所定の位置に張り付けます。
刀架も接着します。

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井桁を作ります。
2ミリ幅、長さ22ミリと14ミリ、厚さ1ミリの板で井桁を組みます。
18ミリ角、厚さ3ミリの板を井桁でサンドイッチにし、上蓋を被せます。
井桁の飛び出した部分(長さ2ミリ)は厚さ1ミリなので、厚さ1ミリの板を重ね全体が2ミリ角の井桁になるようにします。

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流しの中央に井桁を接着します。
頭上の太い梁に滑車が付いていたのでしょうね。

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