名古屋城木造天守閣模型を作る(77)

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隅棟と降棟を作る前に、破風を作ります。

昭和実測図です。

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現在の天守五層の破風です。
全体が綠色ですが、金城温古録によると、ここは銅板の上に金メッキが施されていたようです。メッキが剥げ落ちて銅板の上に緑青が吹いたものと思われます。
模型では金メッキが多少残っている状態にしたいと思います。

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東西の外壁と破風板と懸魚をスチレンボードで作ります。

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破風板は幅の狭い屋根で縁取られています。
片面段ボールを幅5ミリに切り、厚さ1ミリのスチレンボードに貼り付けます。断面部分には後で小さな釘を接着して軒丸瓦を表現します。

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破風板にこの屋根を接着します。
破風板の金メッキを施した部分に薄い木の板を貼り付けます。

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ガンダムカラーのMSグリーンを吹き付けます。

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懸魚(げぎょ)を作ります。
懸魚とは、棟木や桁の木口を風雨から守るためにつけた板が装飾化したものと言われています。色々な形のものがありますが、天守に使われているのは、カブラの形をした蕪懸魚(かぶらげぎょ)です。
スチレンボードで作り、綠色に塗装します。六角形の薄板を貼り付け、中央に真鍮釘の頭部分を貼り付け、金色の塗料を塗ります。

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破風板には大小様々な葵の紋がちりばめられています。
軒丸瓦は一般的には巴紋が使われますが、ここでは葵の紋です。

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破風板を縁取る屋根の断面に小クギを埋め込み、綠色に塗装します。破風板の葵の紋の部分は金色の大小の点をちりばめます。

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東西の外壁を貼り付け、破風板に隠れない部分はグレーに少し綠色を足した塗料を塗ります。

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大棟の先端部分の鬼飾りに金色の塗料を塗ります。

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降棟(くだりむね)を作ります。

幅6ミリ、厚さ1ミリ、幅4ミリ、厚さ2ミリ、幅2ミリ、厚さ1ミリのスチレンボードを少し長めに切り出します。

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3枚貼り合わせたものを4組作ります。
屋根のカーブに合わせて、少し湾曲させます。

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降棟の先端部分には鬼瓦が付いており、角のような鳥衾(とりぶすま)が突き出ています。鳥衾を表現するため、2ミリ角のヒノキ棒を削り出して貼り付けます。

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綠色に塗装します。

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作っておいた破風と懸魚と降棟を接着します。

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次に、隅棟(すみむね)を作ります。

降り棟の湾曲はわずかでしたから、スチレンボードで作れましたが、隅棟は大きく湾曲しているので、細工のしやすいヒノキ板を使います。
厚さ2ミリのヒノキ板を屋根の合わせ目に合わせてカットします。これが隅棟の中心部になります。

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この中心部と同じものをあと2枚作ります。

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中心部を挟むように2枚を貼り合わせます。中心部より1ミリ下にずらします。
これは、屋根の合わせ目は峰になっていて、接着が難しいので、窪みを作って峰に被せ、しっかり接着する為です。
峰の形に合うように成形します。

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隅棟の先端の写真です。
隅棟の先端には鬼瓦が付いており、角のように鳥衾(とりぶすま)が突き出ています。
屋根の合わせ目の丸瓦は他より長くできています。

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2ミリ角の角材を成形し、貼り付けます。この部分が鳥衾になります。
長い丸瓦は楊枝の先端を隅棟の窪みに接着します。

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屋根のカーブに合うように成形します。

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綠色に塗装した後、屋根に貼り付けます。

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残る3カ所も同じように作り、貼り付けます。

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五層が完成しました。

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次は初層の屋根を作ります。

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