作っておいた武者走り上の梁を付けます。
2階の屋根の上には唐破風が4つ、千鳥破風が6つ乗っています。
まずは、南面・北面の唐破風を作ります。
これが唐破風です。左上が千鳥破風。
唐破風は軒先まで有りますので、唐破風が乗る部分の屋根材を切り取ります。
少し立体的にするために、5枚の板を切り出し、接着します。
4セット作ります。
唐破風の前面部分を接着します。
屋根材を作ります。
現物合わせで大きさを調整しながら張り付けていきます。
一つ完成しました。
同じものをあと3個作ります。
四隅を除いて2階の屋根材の張り付けが終わりました。
だいぶ城の形が見えてきました。
隅は屋根材一本一本をあてがってカットしていきます。
短くカットし過ぎると軒先が揃いませんのでやり直しになります。
11本の屋根材を少しずつ短くして張り付けていきますが、最後の方はだんだん上に反っていきますし、支える部分も少ないので難しくなります。
破風の間の位置決めをします。
武者走り上の梁に土台を造り4本の柱を建て、床をおきます。
武者走りから降りるための階段を付けます。
最初は破風の間の壁も作るつもりでしたが、他が柱だけで壁が無いので床だけとしました。
2階の屋根は実寸では8メートルほどもある大きなものです。
わずかに反っています。
1階の屋根のようにヒノキ棒を切って張り付けるだけなら簡単ですが、この反りが無いとゴツい屋根になってしまいますので、反りを作ります。
名古屋城総合事務所蔵 昭和実測図より
1階の屋根は5ミリ幅のヒノキ棒でしたが、2階の屋根は1センチ幅のヒノキ棒から切り出します。
屋根材を張り付けていきます。
2階の屋根は大きいので、武者走り上の梁に柱を立て、横木を渡して支えを作ります。
屋根を支える部分を母屋(もや)と言うらしいです。
梁の上に立つ柱は細すぎて接着剤だけでは立ちません。
2ミリ幅、厚さ1ミリのヒノキ棒の先端を釘の先端のように削り、梁に1ミリの穴を開けて模型用の小さな金槌でたたき込みます。
細い棒ですので、慎重にたたき込まないとすぐに折れてしまいます。
立てた棒を2ミリ幅、厚さ1ミリのヒノキ棒でサンドイッチします。奥より1ミリ低い位置に手前の棒を接着します。
柱と柱の間の隙間を埋め、余分な部分をカットして完成です。
屋根材を乗せる準備ができました。
すぐに屋根を乗せたいところですが、破風の中には部屋が有りますので、先に部屋部分を作っておきます。
破風とは、写真の黒い三角の部分です。
破風の中はこうなっています。
これは現在のコンクリート天守閣に展示されていたカットモデルです。
2階の柱で使ったホゾ穴は3階では半間分ずれているので使えません。
ここは埋めてしまいます。
3階外回りの柱を作ります。
1階、2階の柱と違ってホゾが有りません。
5ミリ角の断面しか無い柱は、接着剤でくっつけてもすぐに外れてしまいます。
釘隠しを作った真鍮釘の残りを埋め込んで画鋲のような形を作ります。
これだけで柱が外れる事は防げます。
ホゾ組をしないので柱を立てても不安定です。
上端の位置を揃えてクリップで止め、接着が完了するのを待ちます。
武者走り上の梁を作ります。
3枚の板を貼り合わせ、形を整えます。
整形前の梁を取り付けて長さに過不足が無い事を確認。
これは一旦取り外し、形を整えて、2階の屋根が完成したら接着します。
模型を作っていると、資料をいろいろ調べる為に、今まで知らなかった事とか、誤解していた事がわかってきます。
天守閣には殿様の居室は無く、柱と引き戸ばかりで巨大な倉庫のようなものだということがわかりました。
現在天守閣の木造復元が計画されていますが、完成したばかりの時は大勢の人で混雑するでしょうが、どの部屋を見ても同じ造りで、しかもがらんどうですので、リピーターは少ないのでは無いかと思います。
。
殿様は、天守閣では無く、本丸御殿で暮らしていたとばかり思っていたら、実は本丸御殿は江戸の将軍のために建てられたもので、尾張の殿様は二の丸御殿に住んでいたそうです。
どうりで復元された本丸御殿を見た時に生活感を感じなかったわけです。
2階以上の屋根の上に破風が乗っていますが、単なる飾りでは無く、中に部屋が有ります。
作業工程がひとつ増えてしまいました。
武者走り上の梁を取り付けました。
次は3階の外回りの柱、2階の屋根、3階武者走り上の梁という順序で進んでいきます。
2階の屋根の上には破風が乗りますので難しくなります。
江戸城を木造復元しようという計画があります。
2013年に発表がありましたが、その後あまり進展が見られないようです。
皇居の中に建築という事がネックなのでしょうね。
江戸城天守を再建する会の軸組パースは参考になります。
1階屋根を支える梁を着けます
本来は武者走りの上の梁が外に飛び出している部分ですが、飛び出している部分だけを後から着けます。
接着面が小さすぎて、簡単に外れますので接着後に釘の芯を打ち込んで止めます。
釘の芯は、釘隠しを作るために頭の部分をカットした残りを使います。
屋根材を等間隔に接着するのは難しいため、写真のようなガイドを作りました。
こんな具合に並べていきます。
1階屋根が完成しました。
今までは箱が積み重なっただけで城のイメージが全く無かったのですが、屋根を着けると城の雰囲気が出てきました。
難しいのは、角の反りの部分です。
角の反りを下から見たところ。
上から眺めて見ました。
次は武者走り上の梁の取り付けです。
2階外回りの柱と1階屋根、武者走り上の梁を作ります。
武者走り上の梁は、3つのパーツを貼り合わせ、形を整えます。
2階の柱を立てる前に1階の窓を付けます。
本当は3本の格子がはめ込まれているのですが、省略形です。
地階明かり取りと2階出窓を作ります。
2階外回りの柱を立て、各パーツを張り付けます。
屋根は最後にまとめて付ける方針でしたが、梁を付けてからでは裏側からの作業ができなくなるので、梁を付ける前に1階の屋根を付ける事にします。
5階まで到達しました。
5階まで上るためには、110段以上の急勾配の階段を上らないといけません。
1階は低いように見えますが、3.5メートル有ります。
2階、4階は6.5メートル。3階は7メートル有りますので、途中で息切れしそうです。
5階の部屋割りです。
12畳が4部屋です。
部屋の構造は1階から5階まで全く同じで、七尺一分四方をワンブロックとして、いくつかのブロックで一部屋を形作っています。
5階の部屋は6ブロックで一部屋です。
全ての階で部屋の周囲はほとんど引き戸です。壁になっている箇所はわずかです。
不思議なのは、5階の階段に接する部分も引き戸になっている事です。
昭和実測図を見ると、階段の降り口は引き戸ですから、引き戸を開けるといきなり階段になっています。
階段の周囲に欄干が有りますが、欄干に接する部分も引き戸です。
つまり、図面の下の部屋の引き戸を開けると欄干ですので、引き戸にする意味が有りません。
ちなみに、2階の階段周りの実測図を見ると、階段に接する部分は引き戸になっていません。
竹中工務店の再現CGでは、壁の部分は壁になっていますが、引き戸の部分は全て引き戸が取り去られた状態で表現されています。
5階は全て引き戸で壁は一つも有りません。
また1階に戻って、後回しになっていた柱その他を付けていきます。
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