『寺山修司青春歌集』の種子抜粋 P16 にんじんの●種子庭に蒔くそれのみの牧師のしあわせ見てしまいたる P20 にんじんの●種子吹きはこぶ風にして孤児と夕陽とわれをつなげり ---- P54 ▼種まく人遠い日なたに見つつわが婚約なれど訛りはふかき P62 わが知れるのみにて春の土ふかく林檎の●種子はわが愛に似る P63 手の上にかわく葡萄の●種子いくつぶわれは遠乗会には行かず P77 遠く来て冬のにんじん売りてゆく転向以後の友の髪黒し P79 血を売って●種子買いもどる一日をなに昂ぶるやあなたは農奴 ---- P98 「革命だ、みんな起きろ」といふ声す壁のにんじん●種子袋より ---- P127 あした播く●種子腹まきにあたためて眠れよ父の霊あらはれむ ---- P171 わが影のなかに蒔きゆくにんじんの親しき●種子は地をみつめおり P173 失いし言葉がみんな生きるとき夕焼けており●種子も破片も P176 空にまく●種子選ばんと抱きつつ夏美のなかにわが入りゆく P178 木がうたう木の歌みちし夜の野に夏美が蒔きし●種子を見にゆく P178 太陽のなかに蒔きゆく●種子のごとくしずかにわれら頬燃ゆるとき P183 わが埋めし●種子一粒も眠りいん遠き内部にけむる夕焼 <追加> ベネッセ 教育情報サイトより [例] 金魚(きんぎょ)→ き・ん・ぎょ(3音)