石:『日本SF~石黒達昌』第7回見直し

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皆さま、こんにちは。
『日本SF~石黒達昌』、第7回見直しです。
皆さまのBファイルを連結して「tatu07B.bse」とし、それを見直したCファイルを添付します。
何かお気づきの点がありましたら、よろしくお願いします。

何だか、点訳の基礎知識とかセンスが試される最終回でした。
お時間あるときに、「点訳フォーラム 点訳上の悩み・疑問に答える」を検索ではなく「もくじ」の見出しで読むことをお勧めします。てびきの参考書(Q&A、Q&A第2集)の続きと思って。

たとえば、「平成3年5月2日~」の「~」の処理を調べると、てびきには「点線か棒線で」と出ています。でも点訳フォーラムを読むと点線が正解でした。

またむずかしい処理は再確認に役立ちました。
ずっと「読点+閉じカギ」は「読み間違うから」という理由だと思っていました。
恵子さんと萌さんに指摘されて、(改めて&初めて)『表記法2018』で確認すると「別の表記記号になってしまう」とありました。てびきの「他の記号と誤読される」よりインパクト強かったです。

こうして、ここに見直し文を書くことで、自分自身どれだけ勉強になったかとつくづく思います。
で、残念なのですが、調べたことを片っ端から忘れてしまうのが不甲斐ないです。
で、詳細は忘れても「確か、調べたはず」は覚えているので、それで良しとするしかないです。

終了した作品ですし、以下を全部読むのは大変だと思います。
行頭に原本頁を入れましたので、自分の担当分を読んでいただければと思います。

<鮮烈な記憶>
●熟考の極み
・Mandyさんの「表について考えたこと」
2022.06.14 石:ishi107bアップします>こももさん、淮さん
Https://basingroom.com/node/25207

・みのりさんの楽譜処理
2022.06.13 石:ishi118bアップします>淮さん、きょうこさん
Https://basingroom.com/node/25202

●検索の極み
・恵子さんの書名検索
P440L-6『94627』、全部で11回出てきたうち、ここだけが「9、4、6、2、7」でした。?と思って国会図書館書誌検索すると、何と!

●特筆
・きょうこさんの楽譜処理
音列記号のことすっかり忘れていて、(5)って何?状態でした。
バオバブさんが喜んでくれるだろうなと。一番の読者でもあるから。

・秧さんの「苗字→みょうじ→明寺」説
めちゃ、おもしろかったです。「実験していた人間」の話も記憶に残ってます。

<変更一覧>
31- 5 『94627』 → 『9、4、6、2、7』(く□し□ろく∥に□しち)』
  ※P419、P427、P428、P428、P435、(P440)、
   P445、P446、P453、P453、P454
  ※以下、書名「94627」、国会図書館書誌検索「タイトルよみ ク シ ロク ニ シチ」とあり、初出のみ読みを入れました。都立図書館の読みは「キュウヨンロクニナナ」。TRC扱いのようです。

66- 7 ならひ゛に、」に → ならひ゛に」に
  ※P435、(P438)、P448、P451、P451、P455
  ※「並びに、」、方針変更。

(P-73L-3)2-14 しんたいの → からた゛の
  ※「身体の」、全体的に「からだ」読みを増やしました

(P-76L9)8- 2 ひとたひ゛ → 1と゛
  ※「一度」、全体に合わせて

(P-81L1)18- 3 おおくて」□(「かいえん」 → おおくて」(「かいえん」
(P-81L5)18- 9 「おにこ゛っこ」□(「かいえん」 → 「おにこ゛っこ」(「かいえん」
  ※説明のカッコ扱い。「第1カギ閉じ+開きカッコ+第1カギ開き」、また誤読のおそれに該当する記述を見つけられませんでした。

(P-82L-4)21- 9 (10マスあけ)へいせい → (8マスあけ)へいせい
  ※普通、出典は10マス以上あけるという解説は読んだのですが、次行を2マス下げにしたかったので、8マスあけにしました。

(P415L-6)26- 7 せつひ゛こ゛□(_ology ) → 26- 7 せつひ゛こ゛(_ology)
  ※説明のカッコ扱いにしたい。

(P417L9)29-16 かんしゃて゛す∥(あとか゛きから → かんしゃて゛す(あとか゛きから
  ※閉じカッコの後に句点があるので、説明のカッコ扱いにしたい。

(P417L-1)30- 6 (15マス目)いしく゛ろ → (23マス目)いしく゛ろ□たつあき
  ※てびきP160 コラム参考

(P419L3)30-11 (14マス目)SF□さっか∥(16マス目)□はんな
    30-11 (15マス目)SF□さっか□□はんな
  ※ここは二マスあけで続けたい。15マス目からにしたのは、てびき事例がすべて奇数マス目からだったからです。

(P419L-8)30-16 《はやかわ~~これくしょん》 → 〈はやかわ~~これくしょん〉
  ※《ハヤカワSFシリーズ Jコレクション》、てびきP109コラム参考。二重カッコは、第1カッコの中で使うことが多いと思います。

(P420L-1)33-14 ころ(次行)□□□□□□(89ねん~~92ねん)
     33-14 □□□□□□ころ(89ねん~~92ねん)
  ※年数は説明のカッコ扱いにしました

(P421L4)34- 6 たんこーほ゛ん□(よーするに → たんこーほ゛ん(よーするに
  ※説明のカッコ扱いにしました

(P421L7)34-12 いて∥(しりあいの → いて(しりあいの
  ※説明のカッコ扱いにしました

(P423L-1)40- 5 『わたし』わ、 → 〈わたし〉わ、
  ※第1カギの中を第2カギで。全体の統一。

(P424L4)40-13 この□さきの → このさきの
  ※「この先の石黒作品にも」

(P425L4)42- 9 とき・ → とき
  ※「トキ・ニッポニアニッポン」、てびきP103「執筆者・鈴木一雄氏」の事例参考。

(P425L-4)43-12 せいふ゛つ・ → せいふ゛つ
  ※「架空生物・ハネネズミ」、てびきP103「執筆者・鈴木一雄氏」の事例参考。

(P426L2)44- 5 「『はねねす゛み』の → 「〈はねねす゛み〉の
  ※第1カギの中を第2カギで。全体の統一。

(P426L3)44- 8 そこふかい → そこ□ふかい
  ※「底深い」、フォーラム「ソコ■フカイ」

(P427L4)46-11 「けっ、□100まんねん∥ふるいせ゛」と
    46-10 『けっ、□100まんねん∥ふるいせ゛』と
  ※「けっ、百万年古いぜ」、2行前の「教育用書籍の渡りに関する報告書」は第1カッコに囲まれているのでそのまま。てびきP106処理2参考。

(P427L-1)48- 8 「た゛か゛ー(たんけんふ)」、 → 「た゛ふ゛る∥た゛か゛ー」、
  ※P460L-2「二つの十字架のイラスト」とあるので。

(P429L3)51- 4 『りかけいの∥ふ゛んか゛く』 → 〈りかけいの∥ふ゛んか゛く〉
  ※第1カギの中を第2カギで。全体の統一。

(P429L-7)52- 2 ふつか~~」の  → ふつか□‥‥‥」の
  ※「平成3年5月2日~」、てびきP115処理2、点線か棒線か? フォーラム参考
 ① 言葉の省略や無言を表す
 「もう一度ご説明します。まずは~」
 は、言葉の省略ですので、点線が適していると思います。

(P429L-3)52-14 『えんし゛ん・ → 『えんし゛ん
  ※『エンジン・サマー』、「機械の夏」と訳されている、そうです。

(P429L-1)52-18 しょてん□へ゛ねっせの → しょてん(へ゛ねっせ)の
  ※「福武書店/ベネッセ」、フォーラムのスラッシュの用法の中で、一番近いと感じたのが「14.p127 6.スラッシュ「コラム25」【A】3.」の「カレ(カノジョ)ワ」でした。思い切って。

(P430L3)53- 7 〈はるき∥~~ふ゛んこ〉 → はるき∥~~ふ゛んこ
  ※「ハルキ文庫」

(P431L1)55- 4 『ときお・ → 『ときお
  ※ 村上政彦『トキオ・ウィルス』、原本で確認しましたら、何と4行の作品でした。
>「~~このあいだ東京で未知の病原体が発見されてトキオ・ウィルスと命名された。」

(P431L4)55-13 ふつか~~」と → ふつか□‥‥‥」と
  ※「平成3年5月2日~」

(P431L9)56- 7 きはっぴょーさくの → き□はっぴょーさくの
  ※「既発表作」、「既発表作品 キハッピョー■サクヒン」「既割引分 キ■ワリビキブン」の事例参考。全部続くと違和感があったので。

(P431L-7)56- 9 SF → SF・
  ※「SF/幻想短篇集」、「SF」と「ファンタジー」は並列と。

(P432L10)58-14 ふつか□――」とわ → ふつか□‥‥‥」とわ
  ※「平成3年5月2日~」

(P433L3)59-14 しりーす゛□J →4 しりーす゛□□J
  ※《ハヤカワSFシリーズ Jコレクション》、てびきP152(2)①の事例として、フォーラム「26.p152 6.二マスあけ」参考(標題紙ではなく本文の書き方例)

(P434L4)62- 6 No.□5□2009□(外引)Early
    62- 6 No.□5□(外引)2009□Early
  ※「〈真夜中〉No.5 2009 Early Summer」、点訳フォーラム 32.p109 「コラム23」参考。「No.5」から外引符?と迷った末、書影を見て。
国会図書館『真夜中 No.5(2009Early Summer) からだ、あります。』
 ・タイトル 真夜中 ・巻次 No.5(2009Early Summer) ・部編名 からだ、あります。

(P434L-5)63- 8 0ねんた゛い → 0(せ゛ろ)ねんた゛い
  ※「ゼロ年代」「てびき」P40 3.【処理】参考。初出のみ。

(P435L-6)65- 8 〈かんせ゛んは゛ん〉』 → (かんせ゛んは゛ん)』
  ※【完全版】、フォーラム 32.p109「コラム23」事例より
『ピエタとトランジ<完全版>』→版次や巻次などを示す場合は点字では通常第1カッコを使用します。
(上)(下)などと同じ扱いってことですね。

(P437L1)68-12 1056((56わ□みき゛かた)) → 10の∥56じょー
  ※「10 56乗さん」、てびきP142備考の「数学記号を言葉に代えて」でいいのではないかと思いました。本人のツイッターは見ました。

(P437L6)68-18 きほ゛ーほや(6)(36) → 「きほ゛ーほや」(6)(36)
  ※第1カギまま

(P437L-3)70- 4 (新段落)〈SF → (前行に続く)〈SF
  ※電子版確認済み

(P439L1)72-17 「ひとくいびょー」ろん」 → 〈ひとくいびょー〉ろん」
  ※フォーラム 18.p106 1.カギ類 【処理1】
てびきP106
【処理1】→ほとんどの場合が誤読のおそれがあると解釈
【処理2】誤読のおそれがない場合として
の解説から、第2カギかふたえカギが適当と考えました。

(P442L1)79- 2 けんきゅーしょて゛ → けんきゅーじょて゛
  ※「理化学研究所」、Wikiでは「しょ」でしたが、国会図書館書誌検索すると「じょ」だったので。

(P442L-3)80-14 た゛せなかった□□なと゛の → た゛せなかった、□なと゛の
  ※「そこでは、①②③④□などの」。
 フォーラム事例
>25.p152 6.二マスあけ
>女はやさしさを、①自分②ペット③子供に向けるために使っている。
>①~ ②~ ③~のように番号を付けて羅列してある場合は、語句であっても数字の前を二マスあけます。
>(1)■ジブン■■(2)■ペット■■(3)■コドモニ■ムケル
>となります。

↑の場合「向ける□ために」と処理されると思ったので、「などの」の処理は読点を追加したいに落ち着きました。

(P448L-2)93- 5 『とーし゛そー』ないにも → 「とーし゛そー」ないにも
  ※「冬至草」

(P449L5)94- 2 「『りかけいの□ふ゛んか゛く 』 → 「〈りかけいの□ふ゛んか゛く 〉
  ※第1カギの中を第2カギで。全体の統一。

(P449L-2)95- 7 「はねねす゛み」か゛ → 〈はねねす゛み〉か゛
  ※第1カギの中を第2カギで。全体の統一。

(P451L6)98- 5 ふちの → ふし゛の
  ※「不治の」、辞書見出し→「ふじ」優先多く、NHK→「ふち」は許容

(P459L4)114-10 (※あと゛れならいす゛より  → (あと゛れならいす゛より
(P459L-8)115- 2 (※あと ゛れならいす゛より → (あと゛れならいす゛より
  ※「※アドレナライズより」、「※」は文中注記符ではないのと星印としても使えないので。

(P459L-5)115- 9 「た゛か゛ー((きこ゛ー))」 → 「た゛ふ゛る□た゛か゛ー」
(P460L 8)117- 5 「た゛か゛ー」(〈うみつは゛め〉→ 「た゛ふ゛る□た゛か゛ー」(〈かいえん〉
(P460L-2)118- 5 「た゛か゛ー」わ → 「た゛ふ゛る□た゛か゛ー」わ
  ※「海燕」、Wikiより『海燕』(かいえん)は、日本の月刊文芸雑誌。
  ※P460L-2「二つの十字架のイラスト」とあるので。

(P449L6)121- 6 (外)No.5□2009∥(外引)Early
    121- 6 (外)No.□5□(外引)2009∥Early
  ※P434に合わせて

(P463L3)122-11 「きほ゛ー□ほや」 → 「きほ゛ーほや」
  ※第1回見直しより

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▼てる葉さん、田打ち桜さん
>本の題名で「デ・ムーア事件」

「デ・ムーア」が何かわからなくて、『冬至草』の「デ・ムーア事件」を読みました。原本P458でも触れているのですが、簡単に言えば、火の玉が見えるウイルスを作った「ジェーン・デ・ムーア」という女性の名前でした。作品自体もおもしろかったです。

▼秧さん、恵子さん
秧さん、第6回見直しへのコメントありがとうございました。
恵子さん、『94627』のご指摘ありがとうございました。
とても勉強になりました。

『94627』って? 奥付の読みを確認したくて本を借りたら(奥付に読みなし)、ネズミ捕りがネズミになるとはこういうことかと。最初は94年6月27日?位に思っていたところが、登戸が出てくるわで、明寺(の読み)状態です。
因みに、以下が出てきて、言葉遊びの体。これが「実在であり記号」?
P124  F462 陸軍の新薬
P135  946部隊・627部隊
P161  FEL462 薬(覚せい剤、コカインのような)
P167  Y279 薬剤

続いて『新化』を読んでます。
これを読み終わるころには、宿題が解けるといいのですが、期待薄。
秧さん、お時間ありましたら石黒達昌の作品をどうぞ。
お気に召すのではと思います。(淮)

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Re: 石:『日本SF~石黒達昌』第7回見直し

淮さん、こんにちは
第7回の見直し、丁寧な説明をありがとうございました。
とても、勉強になりました。フォーラムも丁寧に読まなければ…。

とくに、作品名、文献等は、国会図書館他で、きちんと調べなければならないと痛感。
迷う読みの場合は、調べるのですが、今回の『94627』なんぞは、まったくスルーでした。文献もどこから外引符を使うべきか、調べると、わかってくるのですね。
 
石黒作品はタイトルからして深いのですね。頭の固い私には理解できません。

それにしても、淮さんの読書量と点訳量にはいつもながら驚きです! いつ寝ているのでしょうか?

やまべえ

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田打ち桜さんのユーザアバター

Re: 石:『日本SF~石黒達昌』第7回見直し

淮さん、こんにちは。

第7回見直し有難うございました。

石黒作品自体も難解でしたが、今回の見直しの第1カギ、第2カギ、そしてふたえカギ。それらの関連を考慮に入れて点訳しなければいけないことがわかりました。今回は「てびき」をひっくり返しながら作業しましたけれど、「てびき」の読み込みさえも出来ていなかったのがわかりました。
でも頭に入ってこない!

有難うございました。

田打ち桜

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