龍:「ギフテッド」アップ

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どなたか、よろしくお願いします。

【タイトル】ギフテッド
【著  者】鈴木 涼美
【掲 載 誌】文學界6月号
【発  行】2022年6月1日(5月7日発売)
【ファイル】gifted 170頁
【内  容】
第167回芥川賞候補作。
歓楽街に住む娘の部屋に、「詩を書きたい」とやってきた死にゆく母。著者懇親の初中編。
--夏に色々と失いすぎたせいか、秋が本格的に深まる少し前に私の部屋に越して来たいという母の要望を気軽に受け入れた。母の胃に巣食う病はいよいよ生命の維持すら困難な段階まで進み、死に場所を探しているようだった。

<迷った箇所など>
1)「刺青」「開く」「他」の読み。
2)「治る」「集る」など、送り仮名が辞書見出しとは違う使い方と判断した。
3)P43下段、「まさかジュースがあの店のものだとは気づかなかっただろう」って、何回か読んでも意味不明。(点訳には関係ないけど)

鈴木涼美が「ケータイ」で、年森瑛が「スマホ」。
上記の違いがかなり印象的でした。(淮)

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

淮さん、こんにちは。

確認させていただきます。

 (ウミネコ)

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

淮さん、こんにちは。

以下の言葉の読みが気になりました。
「開く」→「ひらく」「あく」
「他」→「た」「ほか」
「描く」→「えがく」「かく」
「その後」→「そのご」「そのあと」
「形」→「なり」「かたち」

p10上
(3-10)あいた/ときに/なる →
    ひらいた/ときに/なる
 「開いた」

p12下
(12-11)がわから/みて →
     そばから/みて
 「側」→「そば」では?

p14上
(18-15)じゃぐちの/したに/もぐらせ →
     じゃぐちの/したに/くぐらせ
 「潜らせ」→「くぐらせ」では?

p15上
(23-7)いらすとが/かかれた/よーきの →
    いらすとが/えがかれた/よーきの
 「描かれた」

p15下
(25-18)ふれる/ことが/できない。 →
     さわる/ことが/できない。
 「触る」→「さわる」。「ふれる」と読むのは「触れる」。

p18下
(39-6)どあが/あいた。 → どあが/ひらいた。
 「開いた」

p21下
(49-15)ばぬしでも/ある → うまぬしでも/ある
 「馬主」→「ばぬし」でもいいと思いますが、中央競馬会では「うまぬし」と言っているそうです。

p21下
(50-3)たの/かんらくがいの →
    ほかの/かんらくがいの
 「他の」

p21下
(51-5)あらいぐまが/かかれた →
    あらいぐまが/えがかれた
 「描かれた」

p22下
(53-11)わたしや/たの/こわ →
     わたしや/ほかの/こわ
 「他の」

p24上
(60-9)きょうわ/しごとあと? →
    きょうわ/しごと/あと?
 「仕事後」→「あと」の前は切るのでは?

p24下
(62-11)そのごも/ぶなんな/かいわを →
     その/あとも/ぶなんな/かいわを
 「その後」

p25上
(63-12)たに/しめいきゃくが/いるのか →
     ほかに/しめいきゃくが/いるのか
 「他に」

p25上
(64-14)せもたれの/へりに/てを/まわして、 →
     せもたれの/ふちに/てを/まわして、
 「縁に」→ソファなので「ふち」でいいのでは?

p30上
(84-16)おとこが/すきな/からだの/なりを/して →
     おとこが/すきな/からだの/かたちを/して
 「形」

p34下
(102-6)たの/おんなと/ならべて →
     ほかの/おんなと/ならべて
 「他の」

p37上
(112-2)たの/ふーとーの/くちも →
     ほかの/ふーとーの/くちも
 「他の」

p38下
(118-4)くろい/らいんで/えがいた →
     くろい/らいんで/かいた
 「描いた」

p40上
(124-5)おもわぬ/いきおいで/どあが/あいた。 →
     おもわぬ/いきおいで/どあが/ひらいた。
 「開いた」

p40下
(125-15)じれったく/あくのを/まって →
     じれったく/ひらくのを/まって
 「開く」

p41上
(128-13)なかなか/あかない/ことを/かくご/して→
     なかなか/ひらかない/ことを/かくご/して
 「開かない」

p41上
(128-15)まちかまえて/いたかのように/あいて、→
     まちかまえて/いたかのように/ひらいて、
 「開いて」

p45上
(143-15)たに/へんじの/ごいを →
     ほかに/へんじの/ごいを
 「他に」

p46下
(148-17)おとこずきの/する/なりを/して →
     おとこずきの/する/かたちを/して
 「形を」

p47下
(152-4)せいかつかんを/むし/した/わたしを、→
     せいかつかんを/むし/した/しを、
 原文は「詩」。

p48上
(153-15)たの/だれの/はだにも →
     ほかの/だれの/はだにも
 「他の」

p50上
(161-5)たわ/よーすを/みるだけだった。 →
     ほかわ/よーすを/みるだけだった。
 「他は」

  (ウミネコ)

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

ウミネコさん、こんにちは。
早速にありがとうございます。
修正の前に教えて下さい。

>以下の言葉の読みが気になりました。

とのことですが、気になっただけ?
何か根拠にしている資料があるのでしたら教えて下さい。

「あく」「ひらく」あたりを少し調べたのですが、明らかなミスとまでは思えなくて、どちらでもいいあたりに思えたのですが。(淮)

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

淮さん、こんにちは。

点訳フォーラム「第1章 点字・点訳の基礎知識」に出ていることの抜粋ですが、
①「他」の読み方
 文脈や前後の言葉遣いで自然かどうかで判断する。
 本来は「た」
 まず「た」と読み、文脈上「ほか」と読んだ方がふさわしい場合に「ほか」と読むようにする。

②「描く」→「えがく」「かく」の読み分け
 本来は「えがく」
 「かく」とも読めるのは、次の意味で文の流れから「えがく」と読むと不自然な場合
 ・絵や図をかく
 ・ものが動いた跡をある形に表す。

③「開く」→「あく」と「ひらく」の使い分け
 基本は「あく」は自動詞、「ひらく」は他動詞。
 目的語がある場合は、他動詞の「ひらく」
 自動詞でも
 ・ぴったりとさえぎっていたものが、ずらされたり除かれたりするのは「ひらく」
 ・「花」「足」「差」が主語のときは「ひらく」
 他動詞でも
 ・意識的でなく、ぽかんとした状態の時は「あく」

と書かれています。難しいです。

「他」について補足ですが、私の場合、
その他有象無象のときは「た」、
特定の人や物・出来事を想起できる時は「ほか」と読んでいます。

  (ウミネコ)

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

ウミネコさん

すみませんが、教えて下さい。

以下の目的語って何でしょう?
簡単には「~~を」で表せる語だと思うのですが?
それとも自動詞だけど「ぴったりとさえぎって~」に該当する?

1)>p10上
>(3-10)あいた/ときに/なる →
>    ひらいた/ときに/なる
階段を登り切ると再び廊下に続く重たい扉があり、そこに体重をかけて一定以上の幅まで開いたときに鳴る金属の軋むような音を必ず鳴らして、ゆっくり閉まりきる前に、今度は自分の部屋のドアの錠に鍵を差し込み左側に回して鍵の開く音を聞く。

2)>p18下
>(39-6)どあが/あいた。 → どあが/ひらいた。
別に誰も心配していなかったが、吐き気が治ったらしいタイミングで中から「ごめん、お願い」というような声がして、大声で「どうしたの?」と聞くとドアが開いた。

3)>p40上
>(124-5)おもわぬ/いきおいで/どあが/あいた。 →
>     おもわぬ/いきおいで/どあが/ひらいた。
身体の右側に体重をかけて押すと、途中から思わぬ勢いでドアが開いた。

4)>p40下
>(125-15)じれったく/あくのを/まって →
>     じれったく/ひらくのを/まって
間にインターフォンを挟んで二重になったガラスの自動扉が、一つずつ焦ったく開くのを待ってコンクリートの広い道に出ると、

5)>p41上
>(128-13)なかなか/あかない/ことを/かくご/して→
>     なかなか/ひらかない/ことを/かくご/して

6)>p41上
>(128-15)まちかまえて/いたかのように/あいて、→
>     まちかまえて/いたかのように/ひらいて、
なかなか開かないことを覚悟していた踏切は、目の前に見え出すと私を待ち構えていたかのように開いて、私はほとんど止まることなく、歩いていた速度のまま東に向かった。

>点訳フォーラム「第1章 点字・点訳の基礎知識」に出ていること

ちょっと残念なことに、私も上記の解説を参考にしています。
できたらもっと具体的な資料を知りたかったのでした。(淮)

┗━淮(わいY)━┓

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

淮さん、こんにちは。

以下はあくまでも私の考えですが、

>1)>p10上
>(3-10)あいた/ときに/なる →
>    ひらいた/ときに/なる
>階段を登り切ると再び廊下に続く重たい扉があり、そこに体重をかけて一定以上の幅まで開いたときに鳴る金属の軋むような音を必ず鳴らして、ゆっくり閉まりきる前に、今度は自分の部屋のドアの錠に鍵を差し込み左側に回して鍵の開く音を聞く。

「重たい扉が一定以上の幅まで開く」のですから「自動詞ですが、ぴったり閉ざされたものがずらされる」に該当。また「体重をかけて一定以上の幅まで開く」のですから他動詞とも考えられます。

>2)>p18下
>(39-6)どあが/あいた。 → どあが/ひらいた。
>別に誰も心配していなかったが、吐き気が治ったらしいタイミングで中から「ごめん、お願い」というような声がして、大声で「どうしたの?」と聞くとドアが開いた。

「大声で聞いたらドアが開いた」ということは、「中の人がドアを開いた」と考えられるので他動詞に該当。

>3)>p40上
>(124-5)おもわぬ/いきおいで/どあが/あいた。 →
>     おもわぬ/いきおいで/どあが/ひらいた。
>身体の右側に体重をかけて押すと、途中から思わぬ勢いでドアが開いた。

「体重をかけて押してドアを開いた」のですから「他動詞」。途中から「中にいた人がドアを開いた」と考えられるので他動詞。

>4)>p40下
>(125-15)じれったく/あくのを/まって →
>     じれったく/ひらくのを/まって
>間にインターフォンを挟んで二重になったガラスの自動扉が、一つずつ焦ったく開くのを待ってコンクリートの広い道に出ると、

「自動扉が焦ったく開く」のは「ぴったり閉ざされたものがずらされる」に該当。

>5)>p41上
>(128-13)なかなか/あかない/ことを/かくご/して→
>     なかなか/ひらかない/ことを/かくご/して
>6)>p41上
>(128-15)まちかまえて/いたかのように/あいて、→
>     まちかまえて/いたかのように/ひらいて、
>なかなか開かないことを覚悟していた踏切は、目の前に見え出すと私を待ち構えていたかのように開いて、私はほとんど止まることなく、歩いていた速度のまま東に向かった。

「なかなか開かない踏切」は「ぴったり閉ざされたものがずらされる」ものと考え自動詞でもあり、「踏切のバーを開く」意味で他動詞にも該当。

  (ウミネコ)

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

ウミネコさん

詳しい解説ありがとうございます。
体調不良で少し寝込んでましたので、これから読ませてもらいます。

参考にしたものが同じだったので、個人の見解の相違ということを感じました。
ざっと目にしたところでは、正誤じゃなく意見の範疇かなとも。
グル点じゃなく個人点訳については、私はてびきのP12下3分の1くらいにある「校正は新たな点訳ではないので、~~」を参考にしてます。

各グル点で「開く」の読みが違っていて、わからないという書き込みを最近よく見るので、気になっていました。
最近借りた、『類語ニュアンス辞典』中村明編者、P666L4「開いて」の解説の個所で「ここは多分「あいて」だと思うが」と中村明にして「多分」と仰っています。
あと、『てにをは辞典』を買おうかなと思ってます。「傘」→「ひらく」みたいな用例だけが載っていて、私が探していたものに少し合致しているように思えました。

あと、最近は「他」という漢字は「その他」くらいしか使用せず、「ほか」とひらがな書きしている本をよく見かけます。これは時代かなとも。

そうそ、バオバブさんからもらったメールに、
>次の校正は何時頃でしょう。夏休みは頂けますか?

とありました。秋頃の完成予定データを調べたら『ジェイミーの墓標』シリーズがあったので、予定をお知らせした方がよさそうに思います。(淮)

┗━淮(わいY)━┓

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

ウミネコさん、遅くなりました。
『てにをは辞典』を見てからと思っていたのでした。
ふりがな文庫の出典が「赤川次郎~渡辺淳一」に変わったようなと言ったらいいかと。
「開」で一日、「縁」で一日、相変わらずわからないことがバカバカしく感じます。

Mandyさん、それでは素読みよろしくお願いします。
5作の中で、一番日本語がえっ?でした。

3-10 ひらいた      3-10 あいた  P10ドア
39- 6 ひらいた。    39- 6 あいた。 P18ドア
124- 6 ひらいた。   124- 5 あいた。 P40ドア
128-14 ひらかない   128-13 あかない P41踏切
128-16 ひらいて、   128-15 あいて、 P41踏切
  ※「開かずの踏切」、両開きドア、押して開けるドアのイメージで読み直してみました。

12-11 そは゛から    12-11 か゛わから
21- 9 そは゛に     21- 9 か゛わに
  ※この著者(著者を信じるなら)「そば」は基本的にかな書きです。
(会話文)母が病気でえ、そばにいてあげたいんですう
(会話文)多分本当に息絶えるまで、そばを離れずに看取ってしまう。
(地の文)鞄二つを、私はとりあえずそばに置いてタバコを一本吸い切った。

  以下3カ所の「側」を同じ読みにするとしたら
生活が●側から見て          がわ?(これをそばにしたくなかった)
母が眠りにつくまで●側にいることも  がわ?
ハンドバッグを置いた●側に腰掛けた  がわ?(これは「がわ」にしたい)

「側」と「そば」、読み分けなしなら3カ所とも「そば」にします。

50- 3 ほかの      50- 3 たの
53-11 ほかの      53-11 たの
63-12 ほかに      63-12 たに
102- 6 ほかの     102- 6 たの
112- 2 ほかの     112- 2 たの
143-16 ほかに     143-15 たに
153-16 ほかの     153-15 たの
161- 6 ほかわ     161- 5 たわ
  ※最近はひらがな書きの「ほか」が多いのは承知していますが、「他」が表記されてるときは「た」優先にしたい。

62-11 その□あとも   62-11 そのこ゛も
  ※「その後も無難な会話を」
118- 5 かいた     118- 4 えか゛いた
  ※刺青関係は「えがく」と読みたかったので、他の「描く」は「かく」と読んでました。

170- 6         170- 5 みのる・□Mandy
----------
<元に戻したかったけれど止めた個所>
64-14 へりに ←→ ふちに
  ※「ソファの背もたれの縁に」。他所で「湯船の縁に」を「ふち」と読んでたのであきらめました。「背もたれの上に(上で)くつろぐペット」の画像を見ながら、そもそも「縁」なんて言う?と。

84-16 なりを  ←→ かたちを
  ※「白くて、しなやかで、いかにも男が好きな身体の形」
148-17 なりを  ←→ かたちを
  ※「色が白くて、いかにも男好きのする形をしていた」
  「女」を「かたち」読みすることに抵抗があったので、調べた末「なり」読みしてました。
----------

全然別の話ですが、フォーラムの「文字である点字」
>文字である点字としては、「きかえる」でよいと思います。

がずっと気になっていたのですが、最近私なりに少しわかったような。
バオバブさんが「酔客」が「すいかく」「すいきゃく」の話をされていて、語彙の少ない私は飲み会に行って「酔客」なんて言葉を発することは絶対なくて「酔った人」としか言いそうもありません。
こういうのが「文字である点字」かもと。
普段話す(私の)口語と、本で読む(書き言葉?)は違うなと。
NHKと辞書見出しを行き来しながら(これもまた「ゆきき」なんて私の口語にはない)。(淮)

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

淮さん、こんにちは。

元に戻されたところを確認しました。
漢字の読みについては、人によって考え方の差があります。
点訳上の間違いではありませんので、どう読むかは点訳者が最終的に決めればよいことと思っています。
確認した者としての意見を言っただけとお考えください。

『ジェイミーの墓標』シリーズは10月頃にお願いすることになると思います。バオバオさんにはそうお伝えください。

  (ウミネコ)

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

淮さん、こんにちは。

素読み終わりました。
気になったのは21-9の「母が眠りにつくまで側にいることもできるが」の「側」だけですが、このあたりから母が検査入院みたいなのをさせられたときのことを思い出し、私は毎日通って母の「そば」にいたからかもしれません。淮さんの判断を尊重します。

♪Mandy~

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Re: 龍:「ギフテッド」アップ

▼ウミネコさん
>バオバオさんにはそうお伝えください。

序でがあるので伝えておきます。

▼Mandyさん
素読みありがとうございました。
指摘がいつも的確で感謝しています。
BASE&BESを添付します。

<変更>
21- 9 か゛わに   21- 9 そは゛に

ニコ動画で、豊崎由美が「うまい」って言ってたけど、これは解せない。
……じゃなくて、好き嫌いですね。(淮)

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┗━淮(わいY)━┓

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