三層から四層への階段を作ります。
名古屋市の復元イメージを見ると、壁に格子が有ります。多分、明かり取りでしょうね。
すでに取り付けて有る鴨居より上の板6枚を取り外し、スリットを入れて戻します。
引き戸の部分は新たにスリットを入れたものを2枚作り、接着します。
こんな形になりました。
格子を省略していた一層の階段周りも格子を付ける事にしました。
三層の階段は長い踊り場を介して180度向きを変えています。
階段パーツ2個と踊り場パーツを作ります。
仮取り付けしてキッチリ収まるか確認します。
手すりと欄干を作ります。
完成形です。
フィギュアを置いて大きさがイメージできるようにしてみました。
大人は実寸に換算すると身長177センチ、子供は130センチほどです。
二層から三層への階段を作ります。
階段は同じ物を二つ作ります。
下図のピンク色の階段は「御成階(はしご)」と言います。「階段」では無く「階」で読みは「はしご」です。
寛永11年に将軍徳川家光が来城の際に使用したためにこの名が付けられたそうです。
表階段は流しの横に有ります。いわゆるお勝手の横を将軍に通らせないために特別に専用階段を作ったと思われます。
金城温古録には以下のような記述が有ります。
「御物置の間戌亥隅に有り 是、公儀御成の御設か、常に鎖して通用無之故、見難し。
階段、井桁の間の東南ありて、是より二重の台へ登る」
御成階は一層と二層だけに有り、三層から上には有りません。
綠色の階段は昭和実測図では「表階段」となっています。城主はこちらの階段を使いました。
御成階は踊り場の上の部分は隣の部屋に入っています。
階段が通る部分の板壁を取り除いたのですが、この隙間を通す事ができません。
階段を2分割して取り付ける事にしました。
一層への降り口にコの字型の欄干を取り付けていたのですが、名古屋市の木造復元イメージを見ると、壁側の手すりが無く、L字型になっています。
落下防止が目的ですので、壁際の手すりは不要なわけです。
コの字型の欄干を取り外し、L字型の欄干を取り付けました。
表階段を取り付けました。
床からのショットです。
御成階を取り付けました。
まず、踊り場までの下の部分を接着し、上の部分を踊り場に接着します。
床からのショットです。
名古屋市の木造復元イメージでは、こうなっています。
三層の床に欄干を取り付けます。
ここはコの字型です。
一層、北東の角の部屋は「金城温古録」には「井桁の間」と書かれています。
井桁とは井戸枠のことです。
井戸は地下に有るのですが、その上の一層からも水を汲み上げる事ができるように床に穴を空け、井桁を置いてあります。
天井の梁に滑車が取り付けられ、この井桁から地下の井戸まで釣瓶を降ろし、水を汲み上げられるようになっています。
井桁の間には「刀架」も有り、ここに刀を置いて奥へ進んだものと思われます。
しかし、昭和実測図では板敷きになっていて、流しも井桁も有りません。
井桁の有った部分は3枚の板で塞がれているようです。
江戸時代には有ったけれど、昭和実測図が作られた時点では取り去られていたようです。
昭和実測図の地下にはしっかりと流しと井桁が書かれています。
地下の井桁は「金城温古録」にはこのように記されています。
一層の井桁は地下のものに比べると薄くできています。
これは、地下に有る井桁の実物大模型。
コンクリート天守閣の地下に展示されていました。
刀架を作ります。これは簡単ですね。
4ミリ幅の板を接ぎ合わせ、流しを作り所定の位置に張り付けます。
刀架も接着します。
井桁を作ります。
2ミリ幅、長さ22ミリと14ミリ、厚さ1ミリの板で井桁を組みます。
18ミリ角、厚さ3ミリの板を井桁でサンドイッチにし、上蓋を被せます。
井桁の飛び出した部分(長さ2ミリ)は厚さ1ミリなので、厚さ1ミリの板を重ね全体が2ミリ角の井桁になるようにします。
流しの中央に井桁を接着します。
頭上の太い梁に滑車が付いていたのでしょうね。
階段出入り口廻りの欄干を作ります。
これが完成形です。
支柱と手すり部分は2ミリ角の角材、途中の横木は直径1ミリの丸棒を使います。
支柱になる2ミリ角の角材に直径1.2ミリの穴を空けます。
電動ドリルを使うと角材を破壊してしまいますので、ドリルビットの六角軸を指先で持ってねじ込みます。
横木の丸棒は1ミリ角の角材の角を落として作ります。
適当な板に直径1.5ミリ、1.2ミリ、1ミリの穴を空け、太い穴から順番に角材を通していくと、細い丸棒ができます。
2ミリ角の支柱を作ります。
長めにカットした角材の中央付近に丸棒の通る直径1.2ミリの穴を空けます。
直径1ミリの丸棒を通してカッターマットに両面テープで貼り付け、所定の長さにカットします。
支柱3本の穴に丸棒を通します。
2ミリ角の手すりを付けた後、支柱に浅く1ミリの穴を空け、丸棒をねじ込みます。
2つ連結して最後に2ミリ角の手すりを付ければ完成です。
二層の階段出入り口廻りに欄干を接着します。
江戸エリア一層の階段を作ります。
江戸エリアの階段は昭和実測図どおりに作らなければならないのでかなり手間がかかります。
踏み板部分は令和エリアと同じ作りですが、手すりが全く違います。
使える材料は2ミリ角と1ミリ角のヒノキ棒ですので細工が大変細かくなります。
江戸エリアの引き戸は取り去った状態で作って有りますが、昭和実測図の赤で塗った部分は階段に接する部分なので板壁になっています。
この赤色部分は厚さ1ミリの板で塞ぎました。
図面右下の2カ所は格子戸になっているようですが対応できないので他と同じように板で塞ぎます。
一層の階段の模型が名古屋城の近くに有る階段体験館(ステップなごや)に展示されています。
この写真と昭和実測図を参考に作ってみます。
4ミリ厚の板を貼り合わせます。
幅は踊り場の下が19ミリで上が17ミリです。
こういう形に組み立てます。
手すりの支柱は2ミリ角の角材を使います。
断面積が小さすぎて接着剤だけではしっかり立てられません。
ここもホゾ組が必要になります。
支柱を立てる位置に1ミリの穴を空けます。これがホゾ穴になります。
2ミリ角の棒の先端にホゾを作ります。
階段の1ミリの穴に角棒をねじ込み、接着します。
手すりの高さで角棒をカットし、手すりを通す穴を空けます。
1ミリ角の棒の角を削り、直径1ミリの丸棒を作り、穴に通します。
これが完成形です。かなり不細工になりましたがこれが精一杯です。
所定の位置に接着します。
上から見たところ。
梁は柱と接する部分だけ作っていますが、特に大きな梁を4本付けます。
一層見上図で二層床張りがどうなっているかわかります。
焦げ茶色に塗った部分が付け加える梁です。
一番太い部分は二尺八寸(85センチ)ですから、82分の1では約1センチになります。
こんな感じになります。
二層見上図で三層床張りを見ます。
焦げ茶色に塗られた梁が天守閣内で最大のもので、元口73センチ、末口60センチ、長さ17メートル有ります。
この梁には岩手県奥州市の月山神社に自生する月山松を使います。
樹齢400年、根元の太さ90センチ、高さ30メートルの赤松を切り出しました。
こんな感じになります。
完成がいつになるのか、果たして完成するのかもわからない木造天守閣ですが、木材はすでに調達されています。
桧1367本、松692本、欅264本などが岩手県、岐阜県、愛知県、奈良県、高知県の倉庫に保管されています。
木造復元の総事業費は505億円。そのうち木材の調達費用は94億円ほど。加工費も含めると203億円になるそうです。その他木材の保管料が年間1億円ほどかかります。
木材の平均単価は400万円ほどになるのですが、三層床張りに使われる月山松は数千万円だそうです。
江戸エリアに以下の3点を取り付けます。
1・鴨居の上に長押を貼り付け、釘隠しを付けます。
2・梁は柱と接する部分だけ作っていますが、大きな梁は付ける事にします。
3・階段を作ります。
長押は、一層から三層までは幅4ミリ、厚さ1ミリ、四層と五層は幅3ミリ、厚さ1ミリの板を鴨居の上に少しずらして張り付けます。
貼り付ける前に、釘隠し(のように見えるもの)を付けておきます。
釘隠しの図面と現物です。
写真右の釘隠しは、名古屋城の西南隅櫓の長押に取り付けられているものです。
大きさは2種類で、大きな方は直径が七寸二分(約22センチ)、小さい方が直径六寸(約18センチ)です。
一層から三層までは大きい方、四層から五層までは小さい方を取り付けます。
釘隠しを82分の1サイズで作ると直径が3ミリ以下となりますから、形どおりのものを作る事はできません。真鍮釘の頭で釘隠しもどきを作ります。
平頭の真鍮釘の頭部分だけをニッパで切り取ります。
小さなサイズの真鍮釘が無かったので、小さい方は鉄の釘の頭に金色塗料をスプレーして作ります。
一層の長押を貼り終わりました。
釘隠しは六葉が一般的ですが、御殿などには豪華な釘隠しが付けられる事があります。
写真は、名古屋城本丸御殿の上洛殿のものです。
上洛殿は、3代将軍徳川家光の上洛のために建造されたもので、名古屋城の城主ですらここを使う事はできませんでした。
この釘隠しは、ひとつ100万円ほどするそうです。
数え切れないほど有りますが、同じように見えて模様が違います。
三層のエレベーターホールに中二階への階段を取り付けます。
階段を上りきると隣の部屋に出ます。
アクリル板を置き、四層への階段を取り付けます。
三層の階段の配置はこのようになります。
四層のこの位置に出ます。
四層の中二階への階段を作ります。
階段は板壁で覆われ、階段が有る事はわかりません。
四層の中二階はスタッフルームで関係者以外立ち入り禁止です。
階段へは板壁の扉を開けて入ります。
中二階のアクリル板を乗せ、枠を取り付けます。
これで令和エリアの階段は完成です。
二層、三層、四層は次の層までの高さが7メートルほど有るので中二階を作ります。
中二階の床は、下が見えるように少し色の付いた透明アクリル板を使います。
本当はもう少し色が付いていた方が良かったのですが、これしか入手できませんでした。
二層のエレベーターホールのこの位置に中二階への階段を取り付けます。
中二階の床になるアクリル板を置き、階段出口を枠で囲います。
中二階から三層への階段をこの位置に取り付けます。
反対側から見るとこんな感じ。
床が透明なので階段が宙に浮いているように見えます。
三層のこの位置が先ほどの階段の出口です。
階段を作ります。
江戸エリアの階段は昭和実測図が有るのでそのとおりに作りますが、令和エリアの階段は配置や形を考えて作らなければなりません。
8ミリ幅、厚さ3ミリと4ミリの板を切り出します。
令和エリアは厚さ3ミリ、江戸エリアは厚さ4ミリの板で作ります。
厚さ3ミリだと傾斜角40度ほど、厚さ4ミリだと傾斜角45度ほどになります。
まず令和エリアの階段を作ります。
8ミリ幅、3ミリ厚、長さ18ミリの板を4ミリずらして貼っていきます。
厚さ2ミリの板で挟みます。
地階へ降りる階段を作ります。地階は作らないので少し降りた所までです。
降り口の周囲に転落防止の柵を作ります。
二つの階段と柵を接着します。
令和エリアの一層から二層への階段と地階への階段ができました。
地階への階段が二層への階段の真下に来ないのは、地階が一層より少し狭くなっているためです。
右に見える開口部は江戸エリアなので、昭和実測図どおり開口部を最初に切り抜いて有ります。
二層のこの位置に上がってきます。
開口部は切り抜いて有りませんでしたので、階段を仮取り付けして位置を決定してから切り抜きます。
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