1階屋根を支える梁を着けます
本来は武者走りの上の梁が外に飛び出している部分ですが、飛び出している部分だけを後から着けます。
接着面が小さすぎて、簡単に外れますので接着後に釘の芯を打ち込んで止めます。
釘の芯は、釘隠しを作るために頭の部分をカットした残りを使います。
屋根材を等間隔に接着するのは難しいため、写真のようなガイドを作りました。
こんな具合に並べていきます。
1階屋根が完成しました。
今までは箱が積み重なっただけで城のイメージが全く無かったのですが、屋根を着けると城の雰囲気が出てきました。
難しいのは、角の反りの部分です。
角の反りを下から見たところ。
上から眺めて見ました。
次は武者走り上の梁の取り付けです。
2階外回りの柱と1階屋根、武者走り上の梁を作ります。
武者走り上の梁は、3つのパーツを貼り合わせ、形を整えます。
2階の柱を立てる前に1階の窓を付けます。
本当は3本の格子がはめ込まれているのですが、省略形です。
地階明かり取りと2階出窓を作ります。
2階外回りの柱を立て、各パーツを張り付けます。
屋根は最後にまとめて付ける方針でしたが、梁を付けてからでは裏側からの作業ができなくなるので、梁を付ける前に1階の屋根を付ける事にします。
5階まで到達しました。
5階まで上るためには、110段以上の急勾配の階段を上らないといけません。
1階は低いように見えますが、3.5メートル有ります。
2階、4階は6.5メートル。3階は7メートル有りますので、途中で息切れしそうです。
5階の部屋割りです。
12畳が4部屋です。
部屋の構造は1階から5階まで全く同じで、七尺一分四方をワンブロックとして、いくつかのブロックで一部屋を形作っています。
5階の部屋は6ブロックで一部屋です。
全ての階で部屋の周囲はほとんど引き戸です。壁になっている箇所はわずかです。
不思議なのは、5階の階段に接する部分も引き戸になっている事です。
昭和実測図を見ると、階段の降り口は引き戸ですから、引き戸を開けるといきなり階段になっています。
階段の周囲に欄干が有りますが、欄干に接する部分も引き戸です。
つまり、図面の下の部屋の引き戸を開けると欄干ですので、引き戸にする意味が有りません。
ちなみに、2階の階段周りの実測図を見ると、階段に接する部分は引き戸になっていません。
竹中工務店の再現CGでは、壁の部分は壁になっていますが、引き戸の部分は全て引き戸が取り去られた状態で表現されています。
5階は全て引き戸で壁は一つも有りません。
また1階に戻って、後回しになっていた柱その他を付けていきます。
4階の武者走りより内側の柱です。
39本と、だいぶ少なくなってきました。
4階まで柱が立ちました。
階段がジグザグに上に伸びていく様子がよくわかります。
階段は、少し長めの踊り場を介して90度方向を変えています。
踊り場を長くしないと方向を変えた後の階段が上の梁にぶち当たってしまうからですね。
部屋割りです。
24畳が4部屋です。
3階の武者走りより内側の柱を作りました。
76本有ります。
階段は90度方向を変える曲がり階段が多いのですが、3階から4階への階段は、長い踊り場を介して180方向を変えています。
こういう感じになります。
3階の柱が立ちました。一番外側の柱は後回しにします。
3階の部屋割りです。160畳有ります。
階段を作ります。
この作業は、2階の床を被せる前にするべきでした。
柱と柱の間隔は21ミリしか無いため、曲がり階段を設置するのは大変難しくなります。
2階を接着してしまったので後の祭りです。
木造復元後のイメージCG。
柱を作る作業台に踏み板を並べる部分を付け加え増した。
こんな感じになります。
手すりなどは細工が細かくなりすぎるので省略です。
2階から3階へ上る階段が付きました。
見えにくいのですが、すぐ下に1階から2階への階段。1階から地階への階段が付けて有ります。
1階の階段は指が入らないので大変苦労しました。
武者走りより内側の柱を立てました。
一番外側の柱は作業をしていくうちに折ってしまう恐れがあるので後回しにします。
写真では、柱が林立していてどういう状態なのかわかりにくいので部屋の部分に紙を敷いて部屋割りが見えるようにしてみました。
2階の部屋数は10部屋。
一番大きな部屋が42畳、一番小さな部屋が18畳、総畳数286枚です。
緑色で示したのが畳一枚分。武者の絵を立てて大きさをイメージしてみました。
畳は長辺が7尺の大京間畳が敷き詰められていたそうです。
部屋の構造は全て同じで、間隔一間の柱の間はほとんど引き戸で、部屋と部屋との行き来はどこからでもできたようです。
武者は身長180センチです。
次は、階段を作ります。
真っ直ぐに上に伸びていれば簡単なのですが、踊り場を挟んで直角に曲がっていますので、ちょっとやっかいです。
名古屋城総合事務所所蔵
とりあえず柱を全部立てて借組をしてみました。
88本の通し柱はやはり無理があって、2階の床を下まで降ろす事ができませんでした。
そこで、武者走り脇の柱48本だけを通し柱として借組をしてみました。
なんとか下まで降りて来そうです。
一番外側の柱を接着します。
釘隠しのついた長押を柱に取り付け、本組み開始。
2階の床に木の板を当てて金槌で叩いて少しずつ降ろしていきます。
無事、2階の床と1階の柱が接合しました。
上に突き抜けている薄板に2ミリ厚の板を張り付け、2階の柱を作っていきます。
柱を立てたら長押を張り付けます。
本当は鴨居が有って、その上に長押が張られているのですが、細工が細かくなりすぎるので鴨居は省略です。
実際の天守閣では、柱と長押が交わる部分に釘隠しが打ち付けて有ります。
竹中工務店再現イメージより
昭和実測図によると、初層の釘隠しの直径は七寸二分、約22センチです。
太さ1.2ミリの真鍮の釘の頭を釘隠しに見立てます。
釘の頭の部分をカットします。軸を少しだけ残します。
頭の直径は約2.5ミリ。実際の大きさに当てはめると20.5センチで少し小さめです。
長押の部分の幅5ミリ、厚さ2ミリの板にドリルで1ミリの穴を空けます。
そこに真鍮の頭の部分に少しだけ残した軸を押し込んでいくのですが、ピンセットを使っても位置決めができません。
そこで、セロテープに釘の頭を張り付け、セロテープの上からグッと押しつけます。
穴の部分にはセメダインスーパーを小量付けておきます。
釘隠しを長押に全部取り付けたら準備完了。いよいよ柱を組み立てていきます。
柱を作るための作業台を木の切れっ端を使って作ります。
長さの違うホゾを作れるように3種類の深さのホゾ穴を作ってあります。
柱の芯の部分の厚さ1ミリのヒノキ板を差し込み、2ミリの板を張り付けます。
柱は2タイプ。
左は、一番外側の柱で柱の中を2ミリの桟が通ります。
右は、武者走りより内側の柱で、長押で挟み込みます。
1階と2階は柱がほとんど同じ位置なので、通し柱で作ってみます。
薄くて長い部分が2階の床を突き抜けて上に伸びます。
2階の柱はこの薄板に2ミリ厚の板を張り付けます。
1階部分の柱が完成。153本あります。
ただ、これだけの数の柱が有ると、心材とホゾ穴の抵抗で2階の床が下まで降りない可能性が有ります。
その際には通し柱はあきらめて、この長い部分をカットします。
ここまでは平面を作ってきましたが、ここからは立体を作る作業になります。
予測できない困難が待っているかもしれません。どうなりますか。
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